わかりやすく終わりが始まる 8話
そして、町に戻ってきた。
すると、町の光景を見たお面は、呆然としていた。
町は焼け野原だった。
お面は、叫んでいた。
「なぜ!全ては解決したんじゃなかったのか?なぁ、アンタ!どうなっているんだ!」
「思ったより事態がすすんでる。あのスイッチには、アレ以外に役割があったのか?」と、俺はつぶやいた。
お面は、呆然として、座り込んで、町の焼けていく光景を茫然自失してみていた。
俺には災厄が認識できないから、いまの町の状態が破壊された後なのか、それとも真っ最中なのかが今ひとつわからない。
町はほぼ崩壊している状態であちこちから炎が上がっている。
この状態では、誰かを助けようにも助けることすら難しい。
そもそも、あの町にどのくらいの人々が隠れ住んでいたかすら、実は俺は認識していない。
あの部屋から意識を取り戻して、お面に叩き起こされ、アジトに連れて行かれて、一晩。
思い起こせば、お面とお面以外のヒトに会っていない、、、。
ここで、ふと気になったのが、他のヒトって、存在するのか?
座り込んでいるお面に聞いても、今は、多分なにも返ってこないであろう。
ならば、お面が動けるようになったら、お面を探しに行こう。手遅れかもしれないが、、、。
1時間後、うなだれていたお面に、
「どうする?町に行くか?」と聞いた。
お面は、何も言わず立ち上がって、町の方に向かって歩き始めた。