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プロローグはパンティから

 俺がそれを知ったのは偶然だった。


 クラスメイトが、実は双子だったなんてことはよくある話だ。学年に一組くらいは大抵いるだろう。


 中学生までの当たり前なことは、高校生にもなると、当たり前じゃなくなる。


「あ、はじめまして」……なんてことは生徒のほとんどがそうだろう。顔見知りは、せいぜい10人、いても20人程度だろう。


 自分自身の当たり前になっていることなんて、とくにそうだ。親が離婚してるとか、可愛い妹がいるとか、実は双子なんですとか、あえて自分からは言わないだろう。


 それに、人間誰しも秘密の一つや二つあるもんだ。


 とくに高校進学と同時に引っ越して来たりすると、誰も知らない世界。


「え?双子なの!」と周りが興味津々に集まってくることなんてウザいもんな。


 だから、あえて言う必要がないのも頷ける。俺もどちらかというと、そっち派だからだ。


 だが、16歳はもう大人だ。やっていい事と悪い事の区別はつけなければならない。


 俺も相当悪いが……あぁ、ちなみに悪いといっても昔のヤンキーみたいにカッコよく悪いヤツじゃなくて、性格の悪いほうね。


 そんな、性格の悪い俺なんて、まだかわいいもんだ。双子の姉妹で学校を入れ替わるなんて、正気の沙汰じゃない。


 バレたら停学……いや最悪、退学もあり得るんじゃないか?そのへんは、よくわからない。そんなことを繰り返すなんて聞いたことがないからな。


 そう……

 

 あれは、2年生になったばかりの4月のこと。俺は相変わらずのソロムーブで、一階の自販機で「いろはす塩とレモン」を購入するときだった。


 ➖4月14日➖


 一階の自販機は、吹き抜けの渡り廊下にあり、春の優しい風が校舎をくぐるように、女子生徒のスカートをなびかせる。


 わざわざ、そんな場所にある自販機で購入するなんて不謹慎だと思うだろうか。実は、2年の校舎はここの隣であり、自販機も別にある、むしろそっちのほうが近い。


 では、こっち側の校舎で購入する理由……。


 それは「いろはす塩とレモン」がこっち側にしか無いのだ。幸いソロプレイヤーの俺には時間もある。


 だから、決して女子生徒のスカートがなびくのを見たいわけじゃない。そう言い訳をしながら自販機のボタンを押す。

 

 ガタンッと目的のものが落ちてきた。それを取り出そうと、かがんだ俺は……ビュッっと吹き抜ける突風により、なびかせるどころか、打ち上げるノックアップストリームさながらの春風(しゅんぷう)から顔を背ける。


「キャッ」


 視界に入ったのは、純白の……ではなく薄紫色のパンツ……パンティ……いや、ショーツ?なんて呼べばヤラしくない。


 それは一瞬だった。


 だが、不思議なもんだ。こういう時、なぜか視線はそこにいく。本能とでも言うべきなのか、谷間があればそこに……パンティがあればそこに目がいく。


 これは、決してヤラしい意味ではなく、人間の反射が関係しているのではないかと俺は思う。反射にもいろいろと種類があるが、把握反射(はあくはんしゃ)というのがある。


 赤ちゃんの手の平に指を当てると無意識に握ろうとするあれだ。生後3ヵ月頃に失われるようだが、男というのは、精神年齢がほぼ赤ちゃんみたいなもんだ。


 目の前にパンツや胸の谷間があれば脊髄(せきずい)レベルで反射する生き物なんだ。うん、そういうことにしておこう。


「み……見た!?」


 恥ずかしそうにスカートを押さえ、顔を赤らめた美少女がそこにいる。

自らをソロプレイヤーと称して周りを拒絶する男の子が美人姉妹に振り回されていく物語です


第一章まで完結してますので少しでも面白いと思っていただければブックマークよろしくお願いします


複数投稿していきます

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