花が咲く。思い出す。
掲載日:2024/09/05
なんか…短編書こうとしたら詩みたいになっちまった。
夏の季節になると思い出す。
蝉の大合唱を振り切り、森を抜けた先にある向日葵畑にある小さな石の塊に向かう。
久しぶり
声を掛ける。たった一言、されど一言。寄り添うようにして腰を掛ける。それ以上は何もしない。ただ風に揺れる向日葵を眺める。どこか秋の気配を孕んだそれを吸い込み、肺にある都市の空気と交換する。
夏の季節になると思い出す。
真夏の空のように澄み切り、太陽のような笑顔。ふわりと漂う花の香り。それらは全て、気付いた頃にはなくなっている。空の向こうへ手を伸ばす。その手はどこにも届かないと知っていながら。
夏の季節になると思い出す。
善悪だとか、正しいとか、そんなものを知らず、遊びつくしたあの頃を。自分のやりたいことを、一緒にやりたいことを、日が沈むまでやり切ったあの時間を。向日葵畑を見る。あの頃となんら変わっていない。
だからこそ思い出す。
目の前で噴き出す鮮血を、鼻につく硝煙の香りを、腕の中で弱くなる呼吸を、心拍を。もう会えないと分かったあの瞬間を。最期まで綺麗だった笑顔も、真っ赤に染まった衣装も、最期に聴いた声も、頭から離れることは無い。
蝉の大合唱を聞く。
夏の季節になると思い出す
某少女レイ聞いてたら思いついた夏の切ない想い。




