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生還


 目を覚ます。 

 俺は宿屋のベッドで横になっていた。

 隣の椅子にはシャルルが座っている。ベッドにもたれかかりながら眠っていた。

 

 俺はどうしてここにいるんだ?

 確か、拐われたシャルルを助けに行ったんだったっけ。

 そうだ、思い出した! グルドと相打ちになったんだ。

 俺、脇腹を貫かれたんだよな。


 服を上げて脇腹を確認してみる。脇腹には青く光る石がはめ込まれていた。


「うわ!」


 思わず叫んでしまった。

 だって脇腹に石がはめ込まれてるんだ。誰だって驚く。


「ヒロト? ヒロト!」


 シャルルが目を覚まし俺に抱きついた。

 脇腹に痛烈な痛みが走る。


「痛い、痛い!」


「あっ、ごめん。

 でもよかった、ヒロトが目覚めて」


「俺そんなに長く寝ていたのか?」


「うん。3日ほど」


「そんなに!」


 どうりでお腹が空いているわけだ。

 俺は腹をさすった。

 シャルルは俺がお腹を空かしていることを察したのか、


「待ってて、食べ物を持ってくるから」


 と言って部屋を出て行った。


 よかった。シャルルが無事だった。

 あれ? ちょっと待てよ。

 シャルルって斬られてなかったっけ?


・・・・・・

 

 シャルルがおかゆを持ってくる。


「シャルル、今更だけどお前、無事だったのか?」


「うん、無事だったわ」


「でも斬られたはずじゃ・・・」


「あいつの性格を思い出して。きっとヒロトに勝った姿を私に見せつけるために殺さなかったのよ。あいつは斬るふりをしただけ」


 なんだそういうことだったのか。

 あの時は周りが見えていなかったからな。正直あんまり覚えていない。

 なにはともあれ一安心だ。


「あの爆発の後、村の人達が私たちを助けてくれたの。

 私は光魔法で防御していたから怪我は少なかったけど、ヒロトは重症だったのよ。

 私が持ってたヒールクリスタルをはめ込んでなんとか一命を取り留めたけど、本当に死んでしまうかもしれなかったんだから」


 そんなことになっていたのか。

 村の人達にも後でお礼を言いに行かないとな。


 グゥーーー


 突然俺のお腹がなる。


「おかゆ食べる?」


「なんかもっとガッツリしたものが食べたいな」


「駄目よ。いきなりそんなものを食べたら胃がびっくりしちゃうわ。明日からはおいしい料理を作ってあげるから我慢して」


 シャルルはそう言うとおかゆをスプーンですくい、俺の口元へと運んだ。

 えっ、食べさせてくれるの!

 俺はにやけそうになる口元を必死で抑えながらおかゆにかぶりついた。


「あっつ!」


「ごめん! 熱いわよね」


 シャルルはそう言うとスプーンに乗っているおかゆにフーフーと息を吹きかけ始めた。


 おかしい。今までのシャルルなら俺に対してこんなことは絶対にしなかった。まず食べさせてくれる時点でおかしいのだ。いつものシャルルなら「熱いことぐらい見たらわかるでしょ!」とか言ってくるはずである。

 もしかしてこいつはシャルルに変装した違う奴なのか? このおかゆには毒が入っていたりして。


 シャルルは俺の疑いの眼差しに気づいたようだった。

 

「今までのことは謝るわ。私ヒロトをずっと疑っていたの」


 なんのことだ? 今疑ってるのは俺なんですけど。

 俺って何か疑われるようなことしたっけ?


「すごく長くなるんだけど聞いてくれる?」


 シャルルは真剣な表情で言う。その表情は今まで見たことがないものだった。覚悟を決めたその表情を見て、断るなんてできない。俺も真剣な表情で頷いた。


「ありがとう。今までヒロトにはたくさん酷いことをしてきたわ。今更その全てを許してなんて言わない。それでも私には譲れないものがあったってことだけは知っておいて欲しいの。その後はヒロトの言うことをなんでも聞くから」


 そう言ってシャルルは自分の過去を話し始めた。


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