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格上


 はぁ、どうしてこうなった。


 

 村人達が武器を持ち出したのだ。


「冒険者さん、俺たちも戦いますよ!」


 いや、一緒に来られると邪魔になるんだが・・・


「あいつらの場所は分かっています。行きましょう!」


 この流れはまずい。


「待ってください!!!」


 俺は叫んだ。

 村人達が一斉に俺を見る。


「皆さんは村が襲われたときのためにここで待機していてください。1人だけついて来てくれればいいですから」


「でも・・・」


「分かりました。では私がついて行きます」


 アンナの父が名乗りをあげた。どうやら自分達がついて行くとお荷物になることを察したらしい。

 いや、初めからこうなることを予想していたのか?


「助かるよ」


「みんな! あいつらのことはこの冒険者さんに任せよう。みんなは村を守るんだ!」


 アンナの父が叫ぶ。

 俺はアンナの父と共にシャルルを拐った奴らのもとへ向かった。


・・・・・・


 森を歩いていると、大きな倉庫のような建物についた。

 入り口には男が2人立っている。


「ここがあいつらのアジトです」


 アンナの父は言った。


「ここまでの案内ありがとうございました。あなたは村に戻ってください」


「すいません。あなたに全てを任せることになってしまって」


「いえ、俺は自分の仲間を救いに行くだけですから。悪い奴らを倒すのはそのついでです」


「優しいんですね。私と話すときは殺気を抑えてくれている」


「あなたは村に必要な人だ。大丈夫、後は任してください!」


「お願いします」


 アンナの父は頭を深々と下げた後、村に戻って行った。




 さあ、やるか。


・・・・・・


 俺は倉庫のような建物に近づく。


「おい、お前誰だ?」


 見張りをしていた男が話しかけてきたが、俺は返事を返さず腹を殴る。


「がはぁ!」


「おいお前、何してる!」


 もう1人の男が突っかかってくる。それをかわし顎に一撃を加える。


 ドサッ!


 男は気絶して倒れた。

 

 俺は建物の中に入って行く。



・・・・・・



「くそっ! この女ずっと光魔法で守ってやがる」


「いいから攻撃し続けろ。いずれ魔力もなくなる」


 男達はシャルルを剣や魔法で攻撃し続けていた。しかしシャルルは自分の周りを光魔法の壁で囲み、侵入を拒んでいる。


「この壁が消えるのが楽しみだぜ。こんな上物久しぶりだ!」


 男がよだれを垂らす。


「お前、そろそろ見張りの時間じゃないのか? 早く交代してこいよ」


「くそっ! もうそんな時間か」


 男は悪態を吐きながら入り口の方へと向かった。


「ん、お前誰だ?」


 返事は返ってこなかった。代わりに拳が顔面にめり込む。

 男は数メートル後方へ吹っ飛んだ。


「うおっ!」


 シャルルを攻撃していた男達は吹っ飛んで来た男に驚く。


「ヒロト!」


 シャルルが叫ぶ。


「待たせてごめんな、シャルル」


「そこで止まれ!」


 俺は無視して進む。 


「それ以上進んだらぶっ殺すからな!」


 俺は足を止めない。


「止まれって言ってるだろうが!!」


 男は手から火魔法を放った。


 ズパッ!


 火が真っ二つにきれる。


「魔法を斬りやがった・・・」


 男達は驚きを隠せていなかった。


「おい、さっさと侵入者を片付けろ」


 奥の方で座っていた男が言った。

 それを聞いた男達の目に恐怖の光が広がっていく。


 男達は俺に向かって突っ込んで来た。


「死ねーー!!!」


 ブンッ!


 しかし振り下ろされる剣は当たらない。俺は四方八方からの攻撃を全てかわした。


 この程度の強さか。

 

 バキッ。

 

 1人、また1人と男達は倒れていく。20人はいただろう男達の数はあっという間に1人になった。


「ば、ばけもの・・・」


 バキッ!



 パチパチパチ


 奥で戦いを見ていた男が拍手をする。


「やるねぇ、君。俺の部下にならないか? こいつらよりよっぽど使えそうだ」


「何言ってるんだお前? なるわけないだろ」


「ま、そうだよな。

 俺はグルド。お前の名前は?」

  

「なんでそんなこと聞くんだ?」


「あ? 強い奴の名前を聞くのは当然だろ?

 殺した後に言いふらすんだよ。そいつを知ってる奴の信じられないっていう顔を見るのが最高に気持ちいいんだよなぁ」


 グルドは恍惚とした表情で言った。

 こいつ狂ってやがる。


「さあ、名前を教えてくれ」


「野崎優人だ」


「ノザキヒロト?? アッハッハッハ!!!」


 グルドは急に笑い出した。


「何がおかしい!」


「いやー、俺はついてる。お前がノザキヒロトか。

 お前をあの方に引き渡せば、幹部に昇進してこんな村からおさらばできるぜ」


「あの方って誰だ?」


「俺も知らねぇ。あの方は幹部としか会わねぇんだ。

 ただ、ノザキヒロトと名乗る男に出会ったらテンザキユウヤと言えって言われている。

 それでノザキヒロトは仲間になるだろうってな」


 テンザキユウヤだと?

 

「さあ一緒に来い。ボスがお待ちだ」


「ならない」


「なんだって?」


「俺はお前達の仲間には決してならない!」


 グルドは少し驚いていたが、すぐに笑顔になった。

 

「そうか、交渉決裂だな。ボスからは断ってきたら殺していいと言われている。

 よかったぜ、お前が断ってくれて。

 これで心置きなく殺り合える」


 グルドは剣を抜き突っ込んで来た。


 こいつ速い。


 ガキンッ!


 俺は剣で受け止める。

 

 重い!


 ブワッ


 俺は吹き飛ばされた。着地をする頃にはグルドが目の前に来ていた。


「オラ、オラ、オラ、オラ!」


 グルドは剣を振り下ろす。俺は地面を転がりながらかわす。

 

 ドガッ!


 グルドはフェイントをかけて蹴りを入れてきた。

 左足が俺の腹に食い込む。


「ガハッ」


 俺は山積みにされた木箱に突っ込んだ。


「ヒロト!」


 シャルルが叫ぶ声が聞こえる。


「おいおいこんなもんか? 俺をガッカリさせないでくれよ」


 こいつ、強い。

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