尋問
茂みを掻き分け進むと、男の人が倒れていた。腕が斬られている。目の前にいる3人の男に襲われたようだ。3人とも剣を構えている。
「リュード、左の男を頼む、サナは下がってろ。残りの2人は俺がやる」
リュードとサナは頷く。
「おいおい、1人で大丈夫か?」
俺はその言葉を無視して突っ込んだ。
1人が俺の剣を受け止める。もう1人が俺の後ろに回り込み斬りかかってきた。俺はそれをかわし、男の顎を殴った。
すぐさまもう1人の男が斬りかかってくる。それを剣で受け流し、俺は男に蹴りを入れた。男は吹っ飛び木に激突する。
リュードの方を見ると、相手の剣は手元から離れており、リュードの剣が相手の首元で止まっていた。
ほっと安心したのも束の間、サナの姿が見えない事に気づく。よく見ると怪我をしていた男もいない。
「リュード、サナはどこだ?」
「サナですか? サナ、サナ!!」
リュードの顔が一瞬で青ざめた。
しまった、初めから怪我をしていた男も仲間だったのか。いつの間にか、俺が蹴飛ばした男も姿を消している。
「リュード、そいつを逃すな!」
リュードに剣を向けられていた男が背を向けた。リュードは混乱していた。
くそっ! 一か八かだ!!
俺は魔力を足に集中させて、地面を蹴った。俺の体は勢いよく進み、男にぶつかった。男は気絶した。
「リュード、急いでシャルルを呼んで来い!」
リュードは「サナ、サナ!」と呟いている。
「リュード! 早くしろ!!」
リュードは我に帰ったのか、頷き村に走って行った。
俺は気絶している2人を縛り上げた。
・・・・・・
数分後、リュードがシャルルを連れて戻ってきた。
「こいつらね」
シャルルからは殺気がほとばしっていた。
「シャルル、俺の不注意でこんな事になってしまったのは分かってる。だがこいつらの尋問は俺にやらせてくれ」
シャルルは俺に殺気を向けたが、俺は怯まなかった。
「はぁ、分かったわ。そのかわり失敗したら殺すわよ」
俺は「ああ、分かってる」と返事をして、シャルルとリュードに指示を出した。
まず、男達を別々の場所に移動させた。男達はお互いが見えず、お互いの声も聞こえない状態にした。シャルルとリュードを監視につけると、それぞれに
「何を話しかけられても、絶対に喋らないでくれ」
という指示をした。リュードには特に念を押した。
「煽られても無視し続けろ」
リュードは頷いた。
2人は監視についた。
・・・・・・
数十分後、俺はシャルルが監視する男の方に行った。
俺は風魔法で近くの木を切った。木は真っ二つに切れて倒れる。
「うん、切れ味は上々!」
シャルルは驚いてこちらを見た。俺はシャルルに目配せをして話しかけないように促した。
「なんだよ兄ちゃん、俺は話さねぇぞ!」
「誰が話せって言った? お前はもう用済みだから何も喋らなくていい!」
俺は不敵な笑みを浮かべ言う。
「何! あいつ喋ったのか」
「ああ、それはもう洗いざらいな」
「どうせ嘘だろ」
「そうだな、これから死ぬお前にとっては関係ない話だったな。
さて、どこから切り刻んでいこうか・・・ 決めた、先ずは腕から」
俺はそう言うと、男の腕を左手で掴み右手で風魔法を放つ準備をした。
「待て! 話す、話すから待ってくれ!」
「はぁ? 話はもう聞いたんだ、何を話すって言うんだ?」
「あいつよりもっといい情報を話すから待ってくれ」
「ほんとか?」
「ほんとだ。
俺らのアジトはこの先を行った森の中にある」
男は指を指した。
「聞いた」
「あのお嬢ちゃんは、まだ死んでねぇ。闘技場に売りに行くらしい」
「それも聞いた」
「あいつなんでも喋りやがって」
「もういいな」
「俺たちは全員で13人いる」
「あぁー、それは知らなかったな」
「だろ、だから俺は許してくれよ」
「いや、まだだ。俺たちの仲間がお前らが言ったアジトに行ってる。嘘だと分かれば、どうなるか分かるよな」
俺は剣を抜き、男の首に近づけた。
「ああ、いいぜ」
男は笑った。
俺は確信した。
「シャルル行くぞ、こいつはもう用済みだ」
シャルルは驚いた顔をしたが、俺についてきた。
俺はリュードも呼び、村へ向かった。
森を抜けた後、俺はシャルルとリュードに指示を出した。
「リュード、お前は街とは逆方向の村の入り口を見張っておいてくれ。奴らが来たら火の魔法を空に打つんだ。すぐに俺かシャルルが駆けつける。
シャルル、お前は村と街を繋ぐ道で待ち伏せしておいて欲しい。
2人とも気を付けろよ」
「待って、あいつらのアジトには行かないの?」
シャルルが聞いてきた。
「あれは嘘だ。とにかく後で説明する」
シャルルとリュードは頷き、持ち場へ向かった。
・・・・・・
俺は村に入り、鍛冶屋を訪れた。
鍛冶屋のおっさんは俺を見て驚いたようだった。
「いらっしゃい! 修行とやらは終わったんですか?」
「ああ、邪魔が入ってな」
「それは大変でしたね」
「別に大変じゃなかったが」
「そ、そうですか。それで何が欲しいですか?」
「情報」
「情報ですか? いったい何の・・・」
俺は近くにあった盾を殴った。盾は粉々に壊れた。
「今すぐあいつらの居場所を言え」
鍛冶屋のおっさんは腰を抜かした。視線が泳いだ。
そこか。
俺はカウンターを持ち上げた。そこには隠し階段があった。俺は逃げようとする鍛冶屋のおっさんの腹を殴った。おっさんは気絶した。
俺は木刀を持ってふたを引き剥がし、中に入った。




