逆プロポーズ?
人のよい両親は領地経営に向かないのでお祖父様お祖母様がいた頃はなんとかなっていたのですが…
本当私の記憶が前世の私がしていた仕事が銀行のローン金融で良かった…御二人が亡くなるまでに領地経営のノウハウを全て叩き込んでくれましたから
「とうとう夜会ですか」
今夜やることは今まではリュヌだったのだけど今回のみあのワンコですからね。
結局は護衛魔法使いだから私と一緒に居なければならないのだけど…
ああもう!何度言ってもあのリュヌは自分のために動かないのかしら!一度、初めてあったときに見たあの髪と眼
私の記憶に焼き付いてはなれない美貌!磨きたいわ!でも、今じゃない
時期が来たら磨きに磨いてやるんだから!
そんなこと考えてたらワンコが迎えに来ました
え?領地じゃないのかって?市場調査で王都の邸に戻って居たのですそれを書簡にしたためワンコの家に届くよう使者を出しましたとも
さすがに王都主催の夜会です眼がチカチカします
新しいドレスと宝石職人に作ってもらったアクアマリンが負けず劣らず輝いていますが私がくすんで無いですかね
「やっぱあの子は来なかったわね。御飾りむだだったかしら」
「気持ちだから良いんじゃないか?一応夜会に参加してるし。何年か前の籠城には手を焼いたけどな」
「仕方ないじゃないリュヌが来ない何て言うから」
「俺のせいかよ。お嬢はフォースクラム侯爵家の跡取りだぜ?同じ侯爵家の奴と結婚した方が…良いんだろうが…俺しか居ないんだよな…ここはやっぱりお嬢の弟妹を祈るしかないか…お嬢を降下させるわけにはいかないし格下にお嬢をやる気もないしな」
「それ以上言ったら磨きに磨いてやるんだから」
なんであんな綺麗なのに隠すのかしら信じられません
「怒るなお嬢。俺は事実兄弟が居ない結婚出来ないんだよお嬢とは」
「両親に私から言ってあるから大丈夫弟妹欲しいって」
「はい!?いつからだそれは」
「お父様に頼んたのは馬鹿が婚約破棄しそうだなあと思ったときだから結構前。そろそろ弟妹出来るんじゃないかしら。私の感はあたるのよ?」
「俺の覚悟帰せよ…」
「婚約破棄は元からするつもりだったもの。リュヌ以外は認めないってそれがあんな形になったのは私も驚きだけど明日には正式に婚約するわよ?帰ったら命一杯磨かれなさいそして、私に磨きに磨いたリュヌを見せて?」
「マジか…これはお嬢なりのプロポーズなのか?」
その言葉に私も真っ赤になってしまって
「嬉しいよお嬢…いや、アクアリーヌ」
耳元でささやかれ腰が砕けた私はそのままワンコを残し邸に帰ったのでした
リュヌは磨きに磨かれ家に来るのが当然みたいな風貌をしていた
アクアマリンの髪と瞳に無駄にキラキラしてるわその端正な顔
「思った通りだわリュヌ!婚約者としてこれ程自慢出来ることなんて無いわ!」
「俺帰りたい…」
「ダメよ、お母様のお腹に弟妹が居ると分かった今、両家の婚約発表はめでたい事だしリュヌの虫よけになるわ。私は、あの子みたいに顔立ちが整ってる訳じゃないから今のリュヌには私は勿体ないって思う御令嬢だって要るかもしれないじゃない」
「今の俺はグラスタール家長男としてもお嬢の婚約者としてもこれ以上に無いくらいお似合いだと思うが違うか?」
リュヌがそう思ってくれる事が一番の幸せなのだけれど…リュヌスフィアとしたら政略結婚なのじゃないかしら
いくら私が一目惚れして駄々をこねまくりリュヌスフィアに纏わり付いて面を明かさないことを条件に護衛魔法使いとして一人占めしてたりしたのにリュヌスフィアとしてはどうなんだろう
「リュヌ、今更なんだけど…婚約したくない?」
「本当に今更だな。お嬢がしたくないならしないさ。でも違うだろう?俺は小さい子どもの頃から俺を慕ってくるお嬢が…いや、違うな俺はお嬢を一目見たときからお嬢のモノだ一目惚れってヤツだな」
聞きたかったのはこれだろう?と言いながら私の不安を払拭してくれたリュヌスフィア
「それにリュヌで良い。同じ侯爵家でもお嬢…アクアリーヌの方が順位的に高いからな。リュヌとはお嬢と家族だけだよ呼んで良いのは」
「リュヌ、実は私もね一目惚れなんだよアクアマリンを体現してるリュヌじゃなきゃホントは嫌だったの婚約するの。でも私は家を継がなきゃいけなくてそのためにはリュヌを諦めようとしたこともあったの
でも、諦めなくて良かったわ。お父様とお母様を焚き付けて良かったー」
「…は?」
「弟妹欲しいって昔から言ってたのよ。私の身体じゃ頻繁に鉱山に行けないし、領地経営するには弱すぎるから元気な弟妹が欲しいってそれがようやく実ったのよね。
実際に2日徹夜しただけで熱を出すなんて情けないわ」
何でこんなに身体が弱いのかしら
「お嬢、普通の人間は2日徹夜したら寝込むお嬢は熱が出やすいだけで普通の身体だよ」
それに領地経営と言っても実際上やってることは情報の精査だわ。隣国の商売人から情報を集めて戦争になる前に陛下に話を纏め今後の方針を決めるのだから熱を出すなんてあり得ないわ
「運動量を増やそうかしら…」
「どうして熱を出そうとするのかわからない医者からも言われてるだろう?これ以上のからだの酷使は熱を出すって」
「だって…リュヌ、身体を鍛えないと情報の精査に時間が掛かりすぎるのいくらお父様に一回見てもらって陛下へ渡るにしても熱を出しながらやるんじゃ上手くいかないわ」
「いずれお嬢はグラスタール家に嫁ぐんだ気にすることはない。婚約からざっと半年から一年くらいグラスタール家の跡取りに相応しい知識とグラスタール家の為に産まれたような琥珀の瞳で領地を潤してくれれば夜会も出来るだけ免除してもらえる。一番の望みはお嬢…アクアが、俺の子を産んでくれるかどうかだな。」
「当たり前でしょ私だってリュヌの子どもは欲しいわ。でも、出来るかどうか…」
「出来るさおじ…アクアが欲しいって思ってくれるなら無理はしないなら大丈夫だって医師のお墨付きだ。
さあ、そろそろ行こうかもうすぐ呼ばれる」
「そうね、リュヌ、私頑張るわ」
「本当に人の話聞かないよな。頑張らなくて良いっていってんのに」
苦笑いをしながらも私に手を伸ばすリュヌは世界で一番大好きで格好いいわたしの婚約者
だから私も胸をはれる
強くなれる
リュヌの手を取り新しい一歩を踏み出そう