婚約破棄からはじまる
済まない私は真実の愛を見つけたのだ」
「…はあ、そうですか。陛下には私からお話を通しておきましょう」
済まないとかこれで私は君のものだなどと臭い台詞が飛び交ってる
あのアホ侯爵(次男)何で私と婚約してたのかしらないじゃないのでしょうか
コツコツと靴音が響き渡る大きな廊下を一人出歩くのももう何度目だ
ため息をつくといつからか二人に増えていた
まあ、いつものことで覗き見してたんだろうけど
「今回は婚約破棄をあの陛下でも認めざるを得まいあの女の腹にはややがいたからな。誰の子かは知らないがあれは色んなやつと体を重ねて居るらしい。あれもその一人だ」
「いくら同じ侯爵でもあの男は嫌だわ、せめてリュヌじゃなきゃ」
「俺は長男だからなあ、あれに家は任せられない」
「分かってる。でもリュヌが良いんですよ
せめて叔父様達が男の子を産んでくれれば良いのにとか、おもったりするわけですよ。じゃなくちゃうちの両親まだ若いんだから弟妹出来れば私はフォースクラム侯爵家の跡取りじゃなくなることも出来るからグラスタールに嫁げるのに…」
「それは叔父上達に言え。いくら俺が魔法使いでも出来ることと出来ないことがある。魔法は万能じゃないそしてお嬢のそれは出来るがやってはいけないことだ」
「分かってますー…あ、着いた。
国王陛下、お話があって参りましたフォースクラム侯爵家長女フォースクラム・アクアリーヌです謁見出来ますでしょうか?」
「アクアリーヌ、こんな時間からはなしか?」
「今先程グラスタール侯爵次男から婚約破棄されました。しかもお相手様にややがいらっしゃるとのこと確認は私の護衛であり魔法使い、グラスタール家長男が確認しております。これ以上は侯爵家の恥ですわたくしからもお願いしますいくら陛下の御命でももう無駄でしょう破棄していただけますでしょう?」
陛下は顔を青ざめさせ元婚約者とあばず…いえ、例の彼女さんを連行してきた
マジで面倒はごめんなんだけど
いきなりバタバタと憲兵が二人の世界から引きずって陛下の御前なのに女の方はキーキー言ってた
しかしこれでも陛下の御前なのだ最上級の令をしている私に向かいまずあり得ない言葉を放った
「いまさら最敬礼されても私はアンバーと結婚するっったたたた兄上!何で此処に…」
「お前じゃねえよお嬢が頭下げてんのは陛下に対してだ。それに俺は今お嬢の護衛魔法使いだからなお嬢あるとこ俺もある。」
「そんなことよりリュヌ、あなたも頭下げなさい陛下の御前ですよ」
「えー、俺はお嬢に契約してるんだけどなあ…それでも仕方ないかお嬢の頭が下がってんだから」
しぶしぶ護衛魔法使いが敬礼したところで陛下がカーンと良い音で杖を床に響かせた
怒り心頭血管浮いてますよ陛下
その上で言葉を出せるのは凄いと思うけど結果馬鹿なんだよね
「…へ、陛下私は自分の意志でアンバーを選んだのですすでに腹のなかに子がいますよろこんで下さいグラスタール侯爵家は安泰です!」
「馬鹿者!!アクアリーヌの身分がなければ侯爵の地位にすら居れぬ身なのに降下して男爵令嬢アンバーザクリニースの家でくらすがよい」
「へ、陛下!何故です!可愛げの無いアクアリーヌよりアンバーの方が百倍可愛いに決まってますよ陛下?!家柄だけの女なぜ庇うんですか、なぜです」
「簡単ですわザクリニース男爵。私の持つ領地の交易の拠点と情報が集まる我が侯爵家の力が必要なのです。陛下は私の家には頭が上がらないのです。情報は我が領地からやって来ますので
では、ごきげんようザクリニース男爵殿」
「じゃなー馬鹿弟」