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ボロボロ橋
「ボロボロ橋にどんどんだ」
クックは得意げに、ページの背中に乗って言います。
「ボロボロ橋じゃなくて、オンボロ橋だよ」
「でも、あの橋ボロボロだよ」
「わかったよ。もうそれでいい。ところで、なんだいそれは?」
ページは不思議な顔で聞きます。
「これはね。これは剣!」
クックは葉のついた小さな小枝をぶんぶん振り回します。
「それは葉っぱだ」
「でも、僕の剣なんだ」
勢いよく小枝はぶんぶん回ります。
「わかった。それよりもうすぐオンボロ橋だよ」
「ボロボロ橋」
「わかった。それよりもうすぐボロボロ橋だよ」
ページの目の前には橋が迫ります。
「どうする?」
「わたる」
「無理だよ。僕の体重で壊れちゃうよ」
クックは困ります。
「よし。じゃあ、僕行ってくるよ」
クックはページから飛び降りてどんどんいきます。
橋の前でクックは止まります。
クルリと振り返りページを見ました。
「待っててくれる?」
「うん。待ってるから行っておいで」
それを聞くと、クックは嬉しそうにぴょんぴょん橋を渡っていきました。
ドングリ池はもうすぐです。