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オオカミこわい
クックは森をどんどん進みました。
あたりは少しずつ暗くなっていきました。
もうすぐ根っこ広場です。
「こわくなんてないやい」
クックは言いながら歩きます。
しばらくするとクックは気が付きます。
ザッザッと後ろからする音に。
「こわくなんてないやい」
クックは歩きます。
音はどんどん大きくなります。
「こわくなんてないやい」
クックはこわごわ振り返りました。
そこにはいました。
大きな口と長い鼻。
すらりと伸びた足に強そうな尻尾。
鋭い牙。
「オオカミこわい」
クックは急にこわくなって走り出しました。
音はどこまでも追ってきます。