よわむし毛虫
大きなクマはクックに気がついて、こちらを向きます。
「どこに行こうっていうんだい?」
「ドングリ池だよ。僕、願いごとがあるんだ。いっしょに行こうよ」
クマは大きな体をぶんぶんふって嫌がりました。
「いやだよ。あそこに行くには、根っこ広場やオンボロ橋をこえていんだ。そんなのこわい」
そして、クマはぶんぶんそのまま後ろにさがっていきます。
クックはとてもがっかりしました。
今度は、アライグマがやって来ました。
「ねぇ、僕といっしょにドングリ池に行ってよ」
アライグマは機嫌が悪そうでした。
「なんで俺様が行かないといけないんだ。ふん、勝手にいきやがれ」
クックはとてもがっかりしました。
今度こそと思い、クックは待ちました。
ヘビがやって来ました。
「僕とドングリ池に行こうよ」
「私はお腹がすいているの。ドングリ池まで行ったら日が暮れてたおれてしまうわ。それにあそこには最近、こわいオオカミが出るって話よ。やめておきなさい」
クックはとても悲しくなりました。
「きらい、きらい。みんな、よわむし毛虫だ!」
クックは叫んで、森の広間から飛び出しました。
クックはひとりでドングリの池をめざします。