もう一つの願いごと
夜の逆さ虹の森。
今夜だけはみんな夜更かし。
みんなで笑って、騒いで、食べて、おしゃべりをします。
ゆきの花がみんなを優しく照らします。
大広間から少し離れて、クックとページの姿もありました。
果物をかじりながらページは言いました。
「クックは、みんなのためにゆきの花を願ったんだね」
「うん」
クックはページを覗き込みました。
「ねぇ、もし冬が終わってね。ゆきの花が枯れてしまったらまたドングリ池に一緒に行ってくれる?」
「もちろんだよ」
クックはちょっと困ったように、大きなりんごに顔を突っ込みながら聞きます。
「ねぇ、もしゆきの花が枯れなくても。またドングリ池に行ってくれる?」
「どうしてだい?」
クックはりんごから顔を出しません。
「僕、またお願いごとが出来ちゃったんだ?」
「何が欲しいんだい?」
クックの顔はりんごのままです。
「あのね、僕。ともだちが欲しい。ねぇ、ページは友達いる?」
「うん。いるよ」
のそっとクックはりんごから顔を抜きます。
「いいなぁ。どんなともだちなの?」
ページは考えます。
「そうだなぁ。あわてん坊で、キツネをオオカミと間違えちゃうんだ」
「うっかりさんだね」
クックは笑います。
「それで、うっかり池に落ちて沈んじゃったりね」
「それは、おっちょこちょいだなぁ」
「でも、勇気があってね。ゆきの花を手に入れたりするんだ」
「そうなんだ。おっちょこちょいなのにすごいね」
クックは今度は大好物のドングリを食べます。
カリカリカリカリカリ。
そして二個目も食べます。
カリカリカリカリカリ。
三個目を食べようとして、気が付きます。
「僕だ!!!」
「そうだよ。クックだよ」
ページはにっこり笑います。
「どうしよう。僕もうお願い事かなっちゃたよ」
山ぶどうを美味しそうに食べながら、ページは言いました。
「どうもしないよ。それなら、今度はドングリ池まで冒険しに行こう」
「わぁ、すごく楽しそうだね」
キツネのページとリスのクックは、友達になりました。
二匹はゆきの花に照らされてキラキラ光ります。
それは、ゆきの花の優しい魔法だったのかもしれません。
おわり




