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クックの願いごと
ここは不思議な不思議な秘密の森。
七色のキラキラな虹がひっくりかえってかかってる。
とても不思議な森なんだ。
この逆さ虹の森に住む動物たちの世界をこっそりのぞいてみよう。
逆さ虹の森に春に生まれた小さなリスが一匹いました。
リスの名前はクック。
とてもいたずら好きで好奇心旺盛のリスでした。
クックはまだ小さくて、お家のまわりと森の中心の大広間でしか遊んだことがありませんでした。
ある日、クックはお母さんに言いました。
「ねぇ、お母さん。僕ほしいものがあるの」
でも、いつも笑顔のお母さんはこまり顔。
「ねぇ、どうやったらもらえるの?」
「そうねえ、ドングリ池にお願いにいけばもらえるかもしれないわ」
それを聞いてクックはおおよろこびでぴょんぴょんはねる。
「わかった。それじゃあ明日はドングリ池にいってくるね」
クックはうれしくてその日の夜は眠れませんでした。