初めからIF END
黒髪ロング少女を追いかけ走る忍、廊下を駆け抜けたところで階段前で上か下かで迷い立ち止まるが
「こんな時は屋上って相場が決まってんだよ!」
自分の感にまかせて階段をかけのぼる。帰宅部筆頭の武にとっては翌日、筋肉痛確定ものの激走を繰り返して
「はぁーはぁー」
息の根をあげながらやっとの思いで屋上の近くまで来たが足は疲労し、腰掛けるようにドアノブにすがるそしてその勢いで回まわそうとするが
……………、ガチ ャ…ガチ ャガガガ……ガンガン…
「なんでだよ!なんでだよ!」
その声とドアノブを回す音は四角柱状の建物の中で小玉するがいつまで経っても扉は開かない。当たり前だ、
『いつも閉じてる屋上が学校最終日のため解放のしております』な〜んて?
学園ラブコメみたいなそんな都合のいい事が起きるはずもなかった。
「な、…で……だ…………よ」
自分の思い上がりに絶望して膝を折ったそのときだった。更なる絶望が押し寄せる。
「いぎゃぁぁぁあああ!!!」
ひどい悲鳴が聞こえた。その声の主がかろうじて女性ものだと分かるかぐらいの歪みようだった。
嫌な予感がした、否そう思わざる負えない
………見たくない…見たくない。
そう思う頭のかたすみで実は違うのではないか?
勝手なかんちがいではないのか?という理想を想像する自分もいた
だか、いつもそうであるとおり。せっかく貯めたガチャ券も爆死でおわり、友達と盛り上がってあげた動画も再生数一桁、おしていた映画も三流どまり、彼女との初デートも大失敗
どれもこれも常に等しく
理想は現実に打ち砕かれる。
目にした『それ』が彼女だと理解しできたのは彼女がいつもかけていた地味な黒縁メガネがほとんど原型を保っていたからだったそれ以外はすべて『赤の塊』それだけだった
「なんで…だよ」
少女が飛び降りたであろう場所をみあげさらにつづける
「思いで深いところで死ぬ奴がいるかよ」
あの階段前で少し考えりば分かった彼女自身もわかると思っていたのかもしれない。
たが所詮は、結果論自分は自殺をしようとする彼女を結局止められなかったし、彼女も分かってもらえなかったのだからいくら悔いても意味が無いのだ。
それでも人は悔いるのを辞めない理解したところで残った未練が甲斐甲斐しく心を蝕んでくるのは変わらない。
現実はいつも都合の悪いものごとばかりだった。
けれど、安心して欲しいこれはあくまでIF ENDここからはご都合展開よろしくの学園ラブコメの幕開けだ。