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C# -しーしゃーぷ-  作者: 穏乃
結成は唐突に
1/10

1# -結成は唐突に-

この物語は百合です。

理解のない方はお引き取りください。

「篠、ギターの方は?」

「大丈夫、ばっちしだよ」


小さな講堂、ここ七海学園にある朝礼などに使われる講堂だ。

学園祭ではこの講堂はいろんな部活やクラスが出し物を披露するのに使われる。私たち軽音部も例外ではなく、この3年間学園祭のライブではこの講堂を使用していた。私達C#(しーしゃーぷ)にとってスタート地点であり、この高校生活最後のライブをするゴール地点でもある。

この講堂にくるだけで私や他のみんなと過ごした3年間の思い出が蘇る。


「篠、穏乃、静、最後くらいいいところ見せなさいよね」

「なに言ってんの、私は最初から最後までかっこいいでしょ」


立花静は憎まれ口を叩きながらドラムのスティックを握りしめた。仲間と楽器屋に行ってどれにするか悩みに悩んで選んだ大切なスティックを。


「茉野、いつもありがとうな」

「んなっ…」


宮本穏乃は茉野智佳に笑みをこぼす。ぶっきらぼうだった彼女が何度も仲間たちと衝突してようやく浮かべるようになった笑顔を。

茉野智佳は顔を赤らめる。私達と出会うことで本当にやりがいのある仕事を知った彼女が。



まずはどこから語ればいいだろうか。この私達の3年間の掛け替えのない物語を。







そう、これは3年前私が七海学園に入学して少ししてからの話である。

まだパリパリの制服を見に纏い私は自分のクラスである一年二組の一番端の席に座っていた。今日までに部活を決めないといけないので私は放課後の教室で1人の時間を堪能していた。

「部活って言ってもやりたいことないんだよねぇ」

やりたいことがないと言ってもこの七海学園は必ず部活に入ることを矯正されるようになっており、何かしらの部活には入らなくてはいけない。私は運動オンチなので運動部は却下。文化部も吹奏楽やら演劇、美術などいろいろあるがどれもパッとしない。入っても幽霊部員になるのが目に見えている。どうせ高校生になったのだから新しいことをやりたいのだけれど、どれも気乗りないものばかりである。

「そういえば…」

やってみたいこと、で私は一つ思い出した。今朝登校中電気屋さんの前を通ったときに目にしたものを。電気屋さんで良くテレビのモニターがあるが、たまたまそこに女性3人のバンドが映っていたのを見た

「バンド…かぁ」

学校でバンドといえば軽音部。私は部活紹介の冊子から軽音部を探す。軽音部の紹介はあったのだが、部員はゼロ。廃部状態だった。これを部活として認めてもらうには少なくとも3人の部員が必要になる。

「今からあと2人、しかもバンドやりたい人かぁ」

アテがないわけじゃない。幼稚園からの幼馴染の友達が私と同じ部活にすると言っていた。でも軽音部と聞いて入ってくれるかなぁ。

「あの」

唐突に話しかけられ私の思考が遮られる。声の主の方を向くと長い金髪の女の子が教室の入り口に立っていた。見知らぬ顔なのでこの組みの子ではないのかな。

「もしかして部活まだ決まってない…?」

女の子は私の机の上におかれた部活紹介の冊子を指差しながら小さな声でぼそりとつぶやく。

「あ、うん。一応まだ決まってないかな…」

「あの…!」

金髪の女の子は私の手をおもむろに握り締める。驚いた私は女の子の顔をに目をやる。女の子と目が合うがその目はとても希望に満ちた顔をしていた。女の子は軽く息を整えながら口を開く。

「軽音部に入りませんか…?」

………へ?

この金髪の女の子が入っていることが一瞬私には理解できなかった。軽音部に入りませんか?いま私が部員探しに困っていたタイミングでの子の質問だ。困惑しないわけがない。神様は私を味方してくれているのか。

「あの…!」

私は二つ返事のように答える。

「軽音部に入りませんか…?」

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