俺は、まだいきてるの?
ふと目を覚ますと、そこは真っ暗な闇の中だった。
真っ暗なのだから自分自身が目を開いたのかはわからないが目を開いたとしても、
閉じていたとしても真っ暗だ。
周りを見ようとしても自分は、体があるのかすらわからない。あったとしても動かない。
そう考える前に俺はいったい何者なんだろう?
わからない。自分が誰なのか?ここはどこなのか?わからない。
そう試行錯誤していると、遠くの方で声が聞こえた。その声はだんだんと近くなって来ている。
するとさっきまで暗闇だったのにいきなり明るくなった。今度は、真っ白な何もないところだ。
そこに、黒いコートのようなものをはおり、フードをかぶっている人物がいる。顔はドクロのお面をつけていて素顔まではわからない。大きく鋭い釜を持っている。首から下げている銀色の懐中時計はひときわ目立つ。
「あなたは、相馬智也とゆうのですよ。」
「相馬智也?」
その子の声は透き通るようなやさしい声で、でも少し恥ずかしそうに言った。
声だときっと女の子だろう
「そうです。申し遅れました。名前は・・・そうですね、綾とでも呼んでください。それじゃあ自己紹介します。私は死神です。一般的に亡くなってしまう方を迎えに行くのです。そしてあなたは今迎えにきている人間です。」
「そうなんですか。」
「おや、あまり驚かないんですね」
「いや・・・。見た感じわかるし・・・。」
「そうですよね・・・。」
シュンっとしながらも顔につけていたドクロのお面を取った。
その子は声のとおり、ほわんっとしたきれいな女の子だった。美少女っと言っていい。
こんな子は見たことがない。その時ふと思った。
「なぁ、俺の記憶は?記憶が一切ないんだけど。」
「当たり前です!あなたは大罪を犯したんですから。」
「大罪?何それ?」
記憶がないのだからわからなくて当然である。
「それは、秘密事項ですから言うことはできません。知っていますか?大罪を犯した人たちは、ある仕事をしてもらうことになっているんです。そしてあなたにもこれから仕事をしてもらいます。」
「記憶は?」
「それは、仕事をしているうちにわかるようになると思いますよ。」
「適当だな。そういえば、仕事はどこで何をするんだ?」
「ええっとですね・・・・。」
そういいながらコートのポケットから小さな手帳を取り出して続けた。
「あなたには亡くなられたご遺族の方々の心の中のメッセージを相手に届けたり、送ったりする、まぁ簡単に言えば郵便屋さんです!」
「ゆッ郵便屋さ~ん?」
「そうです。でも本当に名前が幽便局なんですけどね。」
「幽便局ね~」
「これからそこに向かいます。それと私とあなたは、パートナーみたいなものですからこれから長い付き合いになるとおもうのでよろしくお願いします。」
「ふ~ん・・・。なぁ、その幽便局とやらはどこにあるんだ?」
あえてよろしくとは言わなかった。
「それはですね・・・・あの世とこの世の境目にあります。ちなみに、あの世は死人のいるところでこの世は生きている人間の世界です。」
「あの世とこの世の境か・・・。そんなとこあるんだな。」
「そうです。幽便局だからあの世やこの世に行ったり来たりできるところにないといろいろと不便ですよ。」
「ところで、ここはどこ?君しか見当たらないけど・・・。」
「ここは、あなたの意識の中です。 記憶をさがそうとしても無駄ですよ、消しましたから。」
そうゆうと彼女は懐中時計を見ながら数を数え始めた。
「10・9・8・・・4・3・2・1」
数を数え終わった瞬間、からだが浮くのを感じた。
今まで死神こと綾はとゆう少女しか見えなかった真っ白の世界が急にどこかの病室になった。
その病室には大きなベットしかなかった。そのベットには、大人になりかけの子供とゆうか、子供の中に大人っぽさがあるとゆうか、そんな雰囲気を出している15,6歳ほどの男の子が寝ている。その少年を囲みながら泣き喚いている女の人やその人を慰めている男の人などほかに何人かの大人と子供がいる。
「10月30日午後5時55分、ご臨終です。」
医者らしき人がそういった瞬間泣き声がさらに大きくなった。
すると横で綾がいった。
「では、これから境目に向かいます。」
「もしかして・・今死んだの?」
「そうです。あなたは、15さいだったんですよ。」
「へ~。あれが俺だったんだ。つか、俺今幽体離脱中?」
「う~ん。あなたはもうあの体には戻れませんから、幽体離脱とはちょっと違います。」
そして綾は、懐中時計みていった。
「そろそろ行かなくてはいけないので、行きましょう。私についてきてくださいね。」
そうゆうと彼女は、病室のドアからスッとぬけていった。
俺も続こうとしたが、誤って病室のドアを開けてしまった。
その瞬間そこにいた全員が俺のほうをみて目を丸くした。俺は、ドキッとした。もしかしてみんな自分のことが見えているんじゃないか。そう思った。
そして男の人が、俺のほうに近づいてきたと思ったが違かった。
男の人は、俺の体をとおりぬけて開けたドアから外の廊下を見渡した。
「誰もいないぞ。」
男の人のその言葉で病室にいた全員の顔が引きつった。
そのとき俺の腕を綾がつかんだ。
「なにやってるんですか?私について来てって言いましたよね?」
「ごめん。ところであの人たちは誰?俺のことは見えてるの?てゆうかなんでみんか怖がってんの?」
「一気に質問しないでください。あの方は、あなたの父上と母上ですよ。」また手帳を見ていっている。あれは死神のノートなのか?
「あと、私たちのことは、霊感のある人もしくは、そろそろ死んでしまう人か死んでしまったひとしか見えません。」
「じゃあ、なんで怖がってるの?」
俺はさっき病室のドアを開けて、そこにいた人たちがみな恐ろしいものを見たかのように顔を引きつらせたことを話した。
「当たり前じゃないですか!私たちは見えないんですよ!誰もいないのにドアが開いた、そして廊下は誰もいない、それはびっくりしますよ。まぁ、それで脅かそうとする幽霊がいるから困るんですよ。ええっとなんでしたっけ?ぽっぽるたー・・・・?」
「ポルターガイスト現象のこと?」
「そう、それです。」
「あっ、そうか。だからあの人たち・・・。つか、そろそろ俺のこと名前で呼んでくれよ。いつまでもあなたとか言われるの嫌だし。」
「ごめんなさい。それでは、行きますよ。ちゃんとついてきてくださいよ。智也さん。」
「なんか、馬鹿にされてるような・・・・。」
「ふふふっ。馬鹿になんてしていません。」
「そうかな・・・?」
そうゆうと綾は俺の腕をつかんだまま一気に病院の外に出た。
「さぁ~これから大変ですよ。いざ境目へ!!」
これからどんなことがまっているか、まったく想像できないけど、俺は幽霊だ、なんだか気持ちがいい。
きっといいことが起こるに違いない。よろしくとゆうと綾はハイっと大きく返事した。
初めてなので、おかしい文がおると思います。
読んで下さった方は、意見をお聞かせください。
できればやさしいいいかたでおねがいします。
幽便屋さんはフィクションです。
それとかってな想像もあります。
ご了承ください。