【1話後編】
ボヤける視界、薄れていく音、なくなってゆく感情。
少しづつ悪化する現状。
僕はそれでもODを続けた。
1錠、5錠、7錠、10錠、、、
僕は薬を飲み続けた。
僕は怖かったんだ。
代謝されてゆく薬が。
いつか終わってしまう、見たくない現実が見えてきてしまうこの恐怖が。
『戻りたくない。』
そう思い、呪われたように薬を飲み、どんどん悪化していく。
速くなる鼓動。
飛びゆく意識。
強い吐き気。
僕は公衆トイレに向かった。
そこで便器とにらめっこをしながら、
吐き気があるものの、飲んだ薬を吐きたくない自分との身体と精神を取り合う戦争をした。
胃酸でイガイガする喉、精神が限界を向かえ悲しくないのに溢れ出す涙。
飛び飛びの意識に、ボヤケすぎて見えないに等しい視界、立っているのもままならない身体。
もうだめだと思って、気づいたら担任にODしたことを伝えようとしていた。
担任にメールを送っていると、
「大丈夫かいっ?」
と言って近づいてくる老いた女の声。
大丈夫です。と言ったら、
「ちょっとあなた救急車呼ぶから、待ってなさい。」って慌てた声になって言われて、
(そんなに今酷いのか?)
と思った。
意外とそういう時には人が寄ってくるようで、中年くらいの男の声と若い20代くらいの女性の声が聞こえた。
顔はわからないし、見えないから声で判断して、近づいてきたら逃げるを繰り返した。
なんとか駅まで着いて、追いかけてくる善人達から逃げることが出来た。
もう体力も限界を迎え、電車の待合室で気を失った。そのなかで長い長い夢を見た。
夢と言っても内容は最悪で、
自分が惨殺されて、血だらけになって肉が見え骨も見え、首が転がってゆく様子や、
蠱毒の瓶が倒れ割れたの真横に倒れ込んでいる顔面にムカデが這いずる夢や、
ただ無音の真っ白な空間にいる夢や、
家族で行った記憶が蘇ってくる夢だった。
夢言っていいのかわからないし、
個人的には、記憶もはっきりしていることから、
走馬灯だったのかなと後々思う。
気を失ってから1時間くらいした所で目を覚ました。
ちょうど電車が来たので乗った。
1駅乗って学校に着くと、
担任が校門に立ってて保健室に強制的に連れて行かれたらしい。
普通は嫌だとか思うのだろうが、あまり感情がわかんなくて、記憶も曖昧で校門からの記憶がなく、気づいたら保健室にいて少し驚いた。
少ししたら親を呼ばれ、教頭と親と担任と副担といろんな先生たちで会議をしたらしい。
薬の効果が切れたくらいで、会議も終わり、
家に帰ると怒られて元の日常に戻る。
その日の僕は終始無言で話すことなく日が終わった。
その後、
先生には精神科を勧められ、精神科に行ったものの良くなってゆく感覚はなく、不登校になりODはやめられず、また繰り返した。
僕は何を間違ったんだろう。
死にたいな〜と思いながら、今日も僕はODをする。
僕はこの世界が嫌いだ。
とっても嫌いだ。
でも、そんな世界でも生きてしまう自分が一番嫌いだ。こんな人生終わちゃえばいいのにな、、、




