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ヒロインなんですが誰も攻略してくれません!~誰か攻略してください~  作者: minori
第六章 ようやくヒロインとして過ごせると思ったのに……

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59.ヒロインなんですがロマンに誘われてしまいました。


 館長は嬉しそうに殿下の横で様々な遺跡についての説明を交えながら、歩み続けている。

 今は、最近見つかったという王族のお墓らしきものの地下の遺跡についてだ。

 

 館長は興奮した様子で地下の遺跡について話している。

 

「まだ、誰の墓なのか……というところまでは掴めておらず、研究中なのですよ。そもそも、この地下遺跡はお墓という役割だけなのかということも疑わしく」

「というと?」

「壁画が描かれているのです。しかも現存されるほど、保存性にこだわっている。いや、ロマンですなぁ……」


 館長がうっとりとした表情で話す。

 さすが、遺跡や博物館の館長をされているだけあって、歴史好きなようだ。

 館長の語りは止まらない。


「描かれているのは当時の生活や宗教観だけではなくてですね、これはなんだろう……と疑問のものまであるんですよ。これは神託や予言の可能性もあります」

「神託……」


 穏やかに聞いていたローランやセージ、ヴィオレの顔が一気に真剣になる。

 予言、ともなると国の運営に関わってくる。

 館長はそんな彼らの様子を気に留めるでもなく、興奮した様子で話し続けた。


「まぁ、そうかも! という段階の話ですからね。でも、わくわくするでしょう。数千年もの未来に残したいほどの何か……それだけで素晴らしくないですか? いやー、生きている間にまたこんな遺跡に会えるとは。本当に良かったです」


 館長がとても嬉しそうな顔をする。

 館長のその言葉を聞いて、セージとヴィオレの顔は先ほどよりも穏やかになった。

 しかし、ローランは先ほどの真剣な表情から変わらない。

 たしかにまだ予言の可能性も残っているからだと思うけど、今日のローランはなんだか様子がおかしい気がする。

 でも、ヴィオレもセージも指摘していない程度なんだし、私の考えすぎか……。


「さぁ、もうすぐその遺跡ですぞ!」


 張り切って、また館長が私たちの先頭を歩いていく。

 また、ローランを見てみると、はしゃいだ子供のような館長の姿に苦笑している姿があった。

 

 ……うーん、やっぱり私の気のせいかもしれない。


 私は皆に黙ってついていくことにした。

 それにしても、館長の言う通り数千年前からのメッセージ……たしかにロマンがある。遺跡、楽しみだなぁなんてのんきに考えていたのに、まさかこの遺跡からこんな事件に発展していくとはまだ誰も考えるよしもなかった。


***


「さぁ、つきましたぞ!」

「わぁ、ここが……」


 先ほど神殿や闘技場といった大きな遺跡を見てみると、意外と小さくて地味に見えてしまった。

 

「なんか、思ったより地味だね」


 クロトンがこっそりと私に耳打ちする。

 私も小さく頷いた。館長の壮大な話を聞いてからこれを見ると、たしかに地味に想えてしまった。


 おそらく発掘されたからこのようになっているのだろうが、周りに石が積みあがっており、その真ん中に下り階段のように続く石段が数段続き、その中がトンネルのようになっている。

 数千年前のロマン、中はどう広がっているのだろうか。


 館長は嬉しそうに話を続けた。


「最近一般公開されることが決まりましてね。殿下達がいらしてくれる時にはもう公開されるころでしょう。良ければ、どうぞ入ってみてください」

「よろしいんですか?」

「えぇ! むしろ、殿下に見ていただければ箔が付きますよ。準備はほとんど終わっていますから」


 館長がそう案内すると、ローランがまず周りの遺跡の様子を確認した。

 ここはどのように見つけられたのか、等小さな質問をしている。


 私は興味が先走って、一段だけ石段を降りてみる。

 かなりごつごつとしていて、お世辞にも階段として降りやすいといえない。気を付けて降りないと、転んでしまう人も出てしまいそうだ。

 この石段も当時の人がおそらく作ったんだろう。


 一段降りてみたら、奥が気になっていく。

 まるで数千年前の人々から誘われるように、私は先へ進んでいった。

 十段くらい降りて、トンネルのようになっている入り口まで到達。暗いトンネルに片腕だけ入れてみると、日陰のせいか少しひんやりとする気がした。


「わぁ、ここが……すっごーい。なんだかひんやりするね」

「おい、勝手にさっさと行くな」


 セージがどんどん進もうとする私の腕を掴んだ。


 そして、その瞬間、地面が激しく揺れた。

 あまりの揺れに階段から足を踏み外し、二人で階段下に転げ落ちる。

 幸い、ふかふかのカーペットが積み重なっていたところに着地した為、叩きつけられる痛みからは回避ができた。

 

 しかし、あまりの揺れに立つことはできない。


「セージ!! アイリス!!」


 ローランの悲痛な声が遺跡の入り口の方から聞こえる。

 セージは私の頭を守るように覆いかぶさった。

 私は恐ろしさにぎゅっと目を瞑って揺れを耐える。


 パラパラ……と小さな石の落ちる音だけがする中、ドンドンと爆発でもしたのかとでもいうほどの大きな音がした。

 セージがぎゅっと私を抱き込む。


 揺れも収まり、目を開けると辺りは真っ暗だ。

 上を見上げると、かすかに光が漏れている。

 遺跡の入り口が落石で完全に塞がってしまったようだった。


読んで頂きましてありがとうございました。

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