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ヒロインなんですが誰も攻略してくれません!~誰か攻略してください~  作者: minori


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34.ヒロインなんですがダイエットは明日からにします


 学園祭も終わり、少し落ち着いた雰囲気の生徒会室となって数日が経った。

 だけど、豊穣祭の準備でローラン達生徒会役員はまだ忙しそうだ。

 お父様も結局まだ帰ってこれていないし、豊穣祭とはそんなに忙しいものなのか。

 そんな事を考えながら、私は庭園のお花を見たり、少し寄り道をしながら、のんびりと生徒会室に向かっていた。


 豊穣祭が終わるくらいの頃。学園祭が終わって少ししたら、魔法実習の授業が始まるはずだ。そこで、今度の攻略対象キャラであるファビアンに出会うはず。彼は先生枠だ。

 魔法授業のみのエンカウントで攻略が作業的になりやすかったけど、でも穏やかで優しくて好きなキャラだった。

 とはいえ、今まで攻略対象4人に遭うも、すべて前途多難過ぎて今度も恋愛に発展しそうな気がしない。そもそもゲームと設定が違いすぎる。

 ヴィオレは前世の弟、現サポートキャラとなってしまった。

 セージはゴリゴリの恋愛小説家な上に私を名前で呼ぶことも怒るほど嫌っている……まぁ、最近は軽口叩ける仲になってきたけども。

 クロトンにいたっては女の子はこりごりと言う……うーん、まぁこれも元はと言えば私のせい。

 ローランは優しい、けど皆に優しいからなぁ。それに自分が王妃としてうまくいくとも思わない。

 ……思ったけど、攻略対象キャラがあまりに攻略対象として機能してなくないか?

 この学園に入学した時は考えもしなかった展開に、はぁと深いため息をつきながらそろそろ生徒会室に向かおうと廊下を曲がると、ちょうどヴィオレに遭遇した。 


「お、どうしたんだよ。暗い顔して」

「あ、ヴィオレ。いやね、魔法の授業始まったら先生キャラの攻略対象に会えるはずなんだけど、また何かあるかうまくいかないんだろうなぁって思って」

「あぁ、なるほど」

「ずっと乙女ゲームみたいな展開にならないよねぇ……そもそもヴィオレにいたっては前世の弟だし。攻略対象キャラが攻略対象キャラとして機能してないってどういうことよ」

「ヒロインとして機能してないヒロインに言われてもな」


 それを言われると、ぐぅの根もでない。

 私はぐぬぬ、と反論したいけども出来ない葛藤に苛まれながら、私はヴィオレとゆっくり生徒会室に向かった。歩きながら私は先ほどと


「これは魔法の授業始まってファビアン先生に会っても、期待は薄いかなぁ」

「……いや、先生キャラは無しだろ。お前のお父様がこの学園滅ぼしそうな勢いで来るぞ」

「あぁ!! 今度はお父様にフラグを折られた!! これじゃ恋愛なんて程遠過ぎるよ……」

「……まぁ、あの父親に関しては同情するよ。あれはアイリスに近づく男全部許さなさそうだしな、痩せてもパラメーター上げてももしかしたら無駄かもな」

「あ……そこで、ヴィオレ様にご相談が……」


 ヴィオレに実は言おう言おうと思って言うタイミングを逃していた事をついに告白しようと思う。サボっていたわけではない。でも、散々面倒を見てくれたヴィオレにこれを言うのは大変申し訳ない。

 私は深く深呼吸をして、覚悟を決めてヴィオレに言った。


「最近体重が減りません……」


 あぁ、絶望されてしまう……と目をギュッと瞑り、ヴィオレの返答を待っていると、ヴィオレはあっけらかんとした声で答えた。


「あぁ、停滞期だな」

「停滞期?」

「ある程度痩せたら痩せにくくなるんだよ。むしろ停滞期が来るなんて、よくやったよ」

「へ、そ……そうなんだ」


 なーんだ、停滞期か。仕方のないことだったのか。

 家でデイジーと体重計に乗りながら、顔を青くして顔を見合わせていたんだけど、良かった。誰のせいでもなかった。帰ったらデイジーに報告しよう。

 胸のつかえが取れた私は足取りが軽くなる。ヴィオレはそのままダイエットプランについて話してくれた。


「こういう時はあれだな、チートデイだな」

「チートデイ?」

「好きに飲み食いしていいってこと、豊穣祭では思いっきり楽しめば良いんじゃねぇの?」

「やったー!! ありがとうヴィオレ様!!」


 楽しみだった豊穣祭。

 とはいえ、ダイエット中だから抑えないとな……と考えていたけども、その必要もないらしい。チートデイ! 素晴らしい響きだ。

 希望と期待で胸がふくらんでいる私に、そんなことより気にする事があるだろと言いたげな視線でヴィオレが続けて私に問う。


「そういえば豊穣祭、お前誰といくの?」

「へ?」

「いや、豊穣祭もイベントだろ。攻略対象と行けば良いんじゃねぇの」

「あ! 学園祭ですっかり忘れてた上に、ゲームになかったイベントだから考えもしなかった!! でも皆忙しいんじゃない?」

「あぁ、たしかに。でも、アイツなら……あ、着いた」


 ヴィオレは考えながら呟いていたが、生徒会室前に来てすぐに扉を開けた。

 しかし、ヴィオレがすぐ進むと思ったら急に立ち止まり、そのせいで鼻をヴィオレの背中にぶつけてしまった。

 

「あれ? どうしてここにいるんだ?」


 ヴィオレがそう言って、扉を開いたまま立ち止まる。

 背の高いヴィオレで生徒会室に誰が居るか見えなかった私は、鼻をさすりながらヴィオレの横から顔を出して生徒会室の中を見た。

 そこには思いがけない人物が座っていた。


読んで頂きましてありがとうございました。

私の体重はここ数か月出来る営業マンかな、という成績をおさめています。(右肩上がり)

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