表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒロインなんですが誰も攻略してくれません!~誰か攻略してください~  作者: minori


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/60

18.ヒロインなんですが攻略対象達のサポート役になりました


「へ、私? な、なんでしょう。殿下」


 緊張して身を堅くする私に、ふふんと楽しそうに笑いながら身を乗り出して私に顔を近づける。綺麗な顔がすぐ目の前にあることにドキマギしながら、ローランの次の言葉を待った。


「生徒会役員になってくれない?」

「ええええええ、わっ私が!?」


 にっこりと笑うローランの提案に驚き体を引く私。

 いやいや、でもゲームのおそらく優秀だったアイリスと違い、私だなんて。ゲームでもアイリスは攻略対象達と仲は良かったけど、生徒会役員になるルートはやったことがないから全く想像もしていなかった。

 動揺していると呆れたような顔でセージが私を見て言った。


「そもそもお前は生徒会の仕事を手伝いに今日きたのではなかったのか?」

「えっと……あの、いやそのぉ……」

「え、そうなのかいアイリス嬢! ありがとう、君もそんな風に考えてくれていたなんて嬉しいよ」


 私の手を握り、ぶんぶんと激しく上下に大げさに揺さぶりながら握手をするローラン。

 いやいやいや、あの時はなんとなく言っただけで生徒会役員なんてそんな荷が重いというか。急な展開に助けを求めるようにヴィオレを見るが、ヴィオレはゆっくりと首を振る。そんなぁ、と見つめ続けていると、猫のように首根っこを掴まれ二人に聞こえないように少し離れたところで小声で私の耳元で説得し始めた。


「チャンスだろ」

「え? チャンス?」

「だってそうだろ、攻略対象達と一緒に居られる機会が増えるってことは仲良くなれる機会も増えるってことだ」

「た、たしかに……」

「それに大丈夫だって、俺もフォローするから」


 ヴィオレがフォローしてくれるなら、まぁ……。少し悩んでいると、ローランが私たちにも届くように少し大きめの声で遠慮がちに私に話しかけた。


「公爵家令嬢だし、女神の祝福を受けている君は皆から愛されているから。ぴったりだと思うんだけどー……」


 たしかに、生徒会長は次期王となるローラン。生徒会役員には側近であるデュランダル公爵家のヴィオレ。次期宰相候補のサジェス侯爵家のセージ。となると、フルール公爵家の令嬢である私が生徒会役員になるのは、かなり必然に近いのかもしれない。

 だとしたらゲームでは何故生徒会に入らなかったんだろう。フルグレは他キャラ攻略や関わりもあるから、生徒会に入らなかったのかな。私がヒロインらしくなかったが為に、知っている内容のあれこれが変わっていってしまっているのか。

 予想外の展開についてふと考え込んでしまうと、まだ私が悩んでいると思ったローランが追撃をした。


「それに、アイリス嬢が手伝ってくれたらセージの負担が減ると思って」

「新作を出すペースも早まるかもな」

「え!?」


 私はセージたちの方を思い切り振り返る。

 アムール・シュクレの新作の出版頻度が上がるのなら、むしろ頑張りたいくらいだ。

 私はセージ達のもとへ手を挙げながら走っていく。


「はいはいはーい! やりますやります、私生徒会役員でもなんでもやりまーす!」

「お前の小説は労働力も確保できてすばらしいな、セージ」

「これで釣られるのなんてこいつくらいだ」


 次回作が気になるところで終わってたんだよなぁ、と次回作への期待に胸がいっぱいでローランとセージの会話なんて耳に入らない。生徒会なんて前世でも入ったことないし、よくわからないけどセージの小説の為ならなんでも頑張れそう!


「良かったな、アイリス」


 バンッと力強くヴィオレに肩を組まれた。

 ここまで来れたのも夏季休暇前からヴィオレが私を応援してくれていたおかげだ。ありがとう前世の弟よ、今度は生徒会の後輩として仲良くしてくれ。

 私は改めて3人に向き直り、姿勢を正す。


「あの、じゃあえっと……これからよろしくお願いします! 殿下、ヴィオレ、サジェス卿」


 深々と頭を下げる私。こちらこそっとにこやかに軽く返してくれる殿下。仏頂面だけど口角は僅かに上がっている様子のセージ、いつもの明るい笑顔のヴィオレ。今はヴィオレ以外とは微妙な距離感だけど、これから仲良くなっていけたら良いな。

 それに生徒会室にいる頻度が増えたら、乙女ゲームみたいなイベントも起こってくれるのかも。それもとても楽しみだ。

 私が静かに心躍らせる中、ローランが私に微笑みかけながら言う。


「あ、せっかく仲間になるんだ。私の事も名前で呼んでくれていいよ」

「そ、そんな! 殿下を名前で呼ぶなんて恐れ多いことできません!」


 ローランなんて呼んでいる自分を想像したら、顔がとても熱くなってしまった。乙女ゲーム的な展開になったところで、私の心臓は持ってくれるのだろうか。

 まぁ、攻略対象達のサポート役として尽力することになることはとても良いことだろう。……私サポート役じゃなくてちゃんとヒロインになれるかな。


 何はともあれ、私は王立魔法学園の生徒会役員に就任したのであった。


読んで頂きましてありがとうございました。

親猫ちゃんが子猫ちゃんの首根っこを人間がやると首がしまっちゃうらしいですね、猫ちゃんの持ち方は気を付けたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ