■ 6. 最初の戦闘 — 結界と治癒の使い分け
洞窟に入ってすぐ。
低い唸り声が響く。
——灰洞狼3体。
瘴気を薄くまとい、ヨダレを垂らして唸っていた。
湿った毛皮の匂い。
足音は重く、石を蹴る音が鋭い。
### ◆ 1:初手、結界壁
「来る!」
リーネが叫ぶ。
千紗は瞬時に指を走らせ、空中に光の線を描く。
「ルーア——!」
透明の壁が“バンッ”と出現。
狼の爪が壁を叩き、火花のように白光が散った。
### ◆ 2:悠斗の斬撃と結界帯
悠斗が駆ける。
千紗は彼の剣筋に薄い膜を伸ばす。
——結界帯。
刃が狼に当たる瞬間、結界が反作用を生み、
狼の体がバランスを崩す。
「ッ……はあ!」
悠斗の斬撃が狼の肩を割り、返り血が跳ねる。
血は千紗の結界に軽く弾かれ、床へ落ちた。
### ◆ 3:リーネの援護射撃
リーネの矢が二本、狼の脚へ。
動きを鈍らせる。
「止め刺す!」
悠斗が狼の首を断ち切った。
### ◆ 4:瘴気傷と千紗の治癒
残る二体のうち一体が悠斗の腕を噛む。
「ッ……!」
血が流れ、噛み跡が黒く染まりかける。
「悠斗くん!!」
千紗はすぐに駆け寄り、手を当てる。
「セラ・ア——!!」
温かい光が傷に沁みる。
瘴気が“ジュッ……”と音を立てて蒸発し、黒い気配が散る。
しかし——
千紗の頭がふらっと揺れた。
「千紗っ!?」
「だ、だいじょ……ぶ……」
治癒の反動だ。
瘴気傷は治療に集中力を要する。
悠斗が千紗の肩を支え、無事を確かめた。
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