**●16、 同室の夜 ― “恋人未満”の甘さ**
宿屋〈風見亭〉に戻り、部屋の扉を閉めると、
また二人きりの静かな空間に包まれた。
千紗はワンピースの上着を脱ぎ、
軽い部屋着に着替えるために背中を向けた。
「背向けててね」
「わかった」
着替えの布の擦れる音が、昨日よりも近く感じる。
心臓がゆっくり、でも確実に早くなる。
「もういいよ」
振り返ると、ゆるく髪を下ろした千紗がそこに立っていた。
薄い部屋着の袖が少し長く、その姿はどこか守りたくなる。
「……今日も、似合ってる」
「っ……悠斗、今日なんか……優しいよね……?」
「だって……千紗、かわいいから」
(言った……!)
千紗の顔は一瞬で真っ赤になる。
「……そんな簡単に言わないで……」
「簡単じゃないよ。思ったこと言ってるだけで」
それ以上続けられなくて、
千紗はベッドにちょこんと腰掛けた。
そこへ悠斗も隣に座る。
ほんの少しの沈黙――しかし昨日よりずっと甘い。
ふいに千紗が、ゆっくりもたれかかってきた。
「ち、千紗……?」
「……今日は、ちょっとだけ……甘えてもいい?」
その声は震えていた。
怖いのではなく、勇気を振り絞るような震え。
悠斗は迷わず、そっと支えてやる。
「もちろん」
千紗は悠斗の肩に頭を預け、呼吸を整える。
髪が肩に触れ、静かに香る。
ふたりの距離は、呼吸一つで触れ合うほどに近い。
「ねぇ悠斗……」
「ん……?」
「今日の戦いでね……本当に……怖くなかったの。
悠斗が前にいるだけで……全部、大丈夫って思えた」
その告白に、悠斗の胸が強く鳴る。
「千紗……俺も。
千紗の結界があると思うと……どんな敵でも行ける気がした」
言葉が止まる。
心臓が互いに触れそうなほど近い。
千紗はそっと目を閉じる。
「もう少し……このままいてもいい?」
「……うん。ずっといていいよ」
その言葉が、
彼女の頬をとろけるように緩ませた。
やがて、二人は横になり、
毛布の中で手をそっと繋いだ。
昨日よりも深く、長く、確かに。
「おやすみ、悠斗……」
「おやすみ、千紗」
二人の夜は、
静かで、甘く、そっと距離を縮めながら更けていった。
この作品はAI70%、作者30%で書きました。
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