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**●15、 夕方の市場 ― 素直になれない“幸せ”**
街に入ると、夕方の市場は昼間より柔らかい雰囲気になっていた。
屋台の灯りが灯り始め、焼き菓子の匂いが風に混ざる。
「悠斗、あれ……かわいい」
千紗が指さしたのは、果物屋の小さな串焼き。
リンゴを薄く切って焼き、蜂蜜を垂らしている。
「食べる?」
「たべ……る」
最後が少し小さくなる。
買った串を受け取った千紗は、一口かじる。
甘くて、ほんのり温かい。
「おいしい……悠斗も食べる?」
そう言って、千紗は串を差し出す。
「いや、千紗が食べ――」
「一口だけでいいから」
押し切られたように悠斗は一口かじった。
蜂蜜の甘さよりも、千紗の視線が甘くてどうしようもない。
「……うまい」
「でしょ?」
それだけの会話なのに、胸が妙に高鳴る。
夕暮れの広場を抜ける頃、
街の明かりがゆらゆらと灯り、風が心地よく吹いてきた。
二人は、自然と宿へ向かっていた。
この作品はAI70%、作者30%で書きました。
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