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余命宣告されたけど幼馴染と……  作者: コロンダ達磨
**◆ 第四章 ― 風の街の、二人の暮らし**
30/194

**◆1、朝の日課  **

 朝の光は、東の山脈を越えてゆっくりと街へ降りてくる。

 風の街〈ルーメル〉の朝は清潔な匂いがする。昨夜の市場の熱気はすっかり消え、パン窯の香ばしい匂いと、井戸の水を汲む音が路地に響きはじめる。


 宿屋〈風見亭〉の一室。

 小さな窓から差し込む光は柔らかく、寝台の上にいる二人を淡く照らした。


 千紗は、肩までの栗色の髪をぐしゃりとしながら上体を起こした。寝起きの彼女は普段より幼く見える。額にかかった髪を指で掬い、ぼんやり瞬きをして――そのまま隣の寝台を見つめる。


 悠斗はすでに起きて、腰のベルトを締め直していた。

 白いシャツの袖を肘まで捲り、剣士装備の黒い胸当てを整える。無駄のない動きで、バックルの位置を微調整する姿にはどこか職人のような落ち着きがあった。


「……もう起きてたの?」

 千紗は寝ぼけた声のまま、毛布に包まりながら聞く。


「うん。千紗が寝相で毛布蹴っ飛ばしてたから、かけ直してたところ」

 そう言って、少し照れたように視線を外す。


「えっ――見てたの?」

「いや、見ざるを得ないだろ。すぐ隣だし…その、風邪ひかれたら困るし」


 頬を赤くする千紗。

 その反応に、悠斗も耳の先が少し赤くなっている。


 小さな沈黙。


 千紗は毛布を抱いたまま、部屋の隅にある小さな水場へ向かう。

 水をすくって顔を洗い、手ぬぐいでそっと押さえるように拭く。

 栗色の髪が濡れて頬に貼りつくと、彼女は指先でそれを丁寧に直した。


 その仕草は普段の生徒会長のキリッとした姿とは違い、

 どこか柔らかく、悠斗の胸をくすぐる。


 逆に悠斗は、剣の留め具を軽く叩いて調整したり、革靴の紐を結び直したり、武器の点検を欠かさない。

 その真剣で静かな気配は、異世界に来てもなお変わらない“悠斗らしさ”だった。


「今日の朝食、何にする? 昨日買った果物、まだあるよね?」

 千紗は髪を結びながら聞く。


「市場で焼いてくれるパン、食べたいって言ってたろ? 買いに行くついでに散歩しようか」

「……うん」


 声は自然に弾んだ。

 異世界で迎える二人の朝は、こうして少しずつ形になっていく。


 千紗は冒険者用のミニ燕尾ドレスに袖を通す。

 スカートの深い色と、白いインナーのコントラストが鮮やかだ。

 腰帯を締めると、彼女の身体のラインがふわりと際立ち、胸元のリボンが軽く揺れる。


 悠斗はそんな仕草を見ると、思わず視線を逸らした。

 だが千紗は気付いていて、内心では少し嬉しくて、少しだけ恥ずかしい。


「……じゃ、行こっか。悠斗」

「うん」


 二人は扉を開け、まだ柔らかい朝の風と光の中へ踏み出した。


 ここから始まる新しい“日常”が、

 この世界で二人をどこへ導くのか――

 まだ誰も知らない。


この作品はAI70%、作者30%で書きました。

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