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第八十七話 ギルド職員・エルザの記録
最初に違和感を覚えたのは、
報告書の行数だった。
通常、治癒案件は三行で終わる。
傷の種類、人数、謝礼。
だが、その日――
千紗の名前が記された報告は、
紙の半分を占めていた。
「……減衰なし……?」
魔力量の欄に、
数値が書けなかった。
書きようがないのだ。
治療対象は五名。
重傷者三名。
それでも――
魔力枯渇なし。
エルザは、
ペンを置いて額に手を当てた。
(……女神特典……
それも……
かなり深い……)
問題は、
力そのものではない。
――街だ。
この街は、
「突出した者」を
守れない。
噂は、
必ず歪む。
エルザは、
窓の外を見た。
千紗と悠斗が、
通りを歩いている。
距離は近い。
でも、
触れてはいない。
それが――
逆に目立つ。
(……早く……
出てほしい……)
それが、
職員としての
本音だった。
この作品はAI40%、筆者60%で書きました。
原案100%筆者。
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