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第八十五話 ギルド ― 火種は広がる
その日の午後、
冒険者ギルド。
依頼掲示板の前で、
噂は、
もう形を持っていた。
「……無限だってよ……
魔力……」
「……女神の……
加護らしい……」
視線が、
千紗に集まる。
そこへ――
重い足音。
中堅の冒険者。
年上。
経験者の顔。
「……お前か……」
千紗を、
値踏みする目。
「……力を独占する気か……?」
空気が、
張り詰める。
悠斗が、
一歩前に出る。
「……関係ない……」
「……あるさ……
力は……
使われるべきだ……」
言葉が、
ぶつかる。
理屈と、
嫉妬と、
恐れ。
それらが、
混ざり合う。
相手が、
剣に手を掛けた瞬間。
悠斗は、
迷わなかった。
剣を抜く。
音が、
低く響く。
構えは、
無駄がない。
この数日で、
剣術スキルは、
確実に形になっていた。
「……抜いたな……」
「……抜かせた……」
悠斗の声は、
静かだった。
剣先が、
床を掠める。
戦いは、
始まらない。
――始めさせなかった。
周囲の冒険者が、
二人を止める。
その中で、
千紗は、
ただ見ていた。
震えは、
ない。
でも、
胸が痛んだ。
「……やめて……」
小さな声。
それだけで、
悠斗は剣を下げた。
この作品はAI40%、筆者60%で書きました。
原案100%筆者。
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