167/194
第六十二話 ◆ 思い出の匂い
鍋から、
立ち上る匂い。
どこか、
懐かしい。
悠斗の鼻が、
わずかに動く。
「……これ……」
千紗は、
小さく笑った。
「……思い出した……」
木皿に盛られたそれは、
茶色い、とろみのある料理。
「……カレー……」
千紗の料理スキルが、
また一段、
上がっていた。
だがそれ以上に――
**心を向けて作った味**だった。
千紗は、
何も説明しない。
ただ、
スプーンを差し出す。
悠斗は、
少し迷ってから、
受け取った。
一口。
――熱い。
――辛い。
――優しい。
喉が、
詰まる。
「……俺……」
声が、
震える。
「……怖かった……」
千紗は、
そっと、
悠斗の背に手を置いた。
さすらない。
叩かない。
ただ、
**そこにある手。**
「……生きて……
帰ってきてくれた……」
小さな声。
「……それで……
いい……」
悠斗の目から、
一筋、
涙が落ちた。
音もなく。
この作品はAI60%、筆者40%で書きました。
指摘や感想とか頂ければ励みになります。




