**◆ 女神の声と“対の魂”**
そこには、
光はなかった。
いや、正確には
「眩しい」と感じる光が存在しない。
ただ、
世界そのものが淡く照らされている。
床も壁も天井も区別がなく、
白でも黒でもない――
朝靄に似た色が、
静かに満ちていた。
空間は、
広いはずなのに距離感がない。
一歩進んでも、
どれだけ歩いたのか分からない。
そこに――
女神は立っていた。
背丈は、
千紗より少し高い程度。
細身で、
肩は華奢。
だが、
弱さは一切感じられない。
肌は、
白いのではなく、
透き通っている。
血色があるのかすら分からないのに、
生きている気配だけは確かだった。
髪は、
長い。
色は一定ではなく、
見る角度によって
銀にも、淡い金にも、夜明け前の空色にも見える。
風は吹いていないのに、
ゆっくりと流れている。
顔立ちは、
整っている。
美しい。
疑いようもなく。
だが――
じっと見続けることが、
本能的にできない。
目を合わせると、
自分という存在が
薄くなっていく感覚がある。
恐怖ではない。
畏敬だった。
声は、
耳からではなく
頭の奥に直接届く。
低くも高くもない。
男でも女でもない。
けれど――
なぜか「女神」としか呼べない。
「あなたたちは、
終わりを迎えた」
淡々としている。
事実を告げるだけの声。
「そして、
選ばれた」
感情は、
そこにはない。
女神は、
微かに微笑む。
それは、
人間が誰かを愛おしいと思う
微笑みとは違う。
流れゆくものを見守る者の微笑み。
「恐れる必要はありません」
「与えるのは力ではなく、
“可能性”です」
千紗を見たとき、
女神の目が
ほんの一瞬、柔らぐ。
それは、
人に向ける感情に
最も近い変化だった。
「癒す者は、
誰よりも傷つく」
「だからこそ、
無限と結界を与えましょう」
悠斗を見るとき、
女神はわずかに首を傾ける。
「短い生を知る者は、
刃を振るう意味を知っている」
「あなたは、
守るために斬るでしょう」
「守る為の体力と察知を与えましょう」
断定ではない。
予言でもない。
理解だった。
そしてふたりには、“インベントリ”を。
*『そなたらは運命を共にし、奇跡を起こす者となる。』*
*『互いを想い、共に死を迎えた“対の魂”よ。
その絆ゆえに、そなたらに第二の人生を与えよう。』*
別れ際、
女神は振り返らない。
だが、
最後に一言だけ告げる。
「帰る場所を、
失わないでください」
「それが、
人が人である証です」
次の瞬間、
世界は崩れ――
そして、
新しい世界が始まる。
千沙が小さく囁いた。
「……ずっと一緒ってことだね」
「……そうだな」
ふたりは頬を赤らめて、だけど嬉しそうに笑い合った。
この作品はAI70%、作者30%で書きました。
感想とか頂ければ励みになります。




