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005 三美女同盟?

(どうして、こうなった・・・)

大学2年生のアラタは、ベッドに座る高校3年生の妹のホタルの前で、

正座させられていた。ホタルは染めていないのだが少し茶髪で、

ハリーポッター時代のエマ・ワトソンに似ている美少女だった。


「お兄ちゃん聞いてる?なんで、こんな可愛い女子高生の妹が、

同じ屋根の下に居て、しかも両親が長期出張でいない、

絶好のシチュエーションなのに、そんなDVDを借りてくるかな」

DVDのタイトルに顔を赤くしながら、ホタルが問いただす。


アラタは、ルナとの約束を果すため、マスターベーションのおかずとして、

アダルトDVDを手に入れることを考えたのだが、

それを悪友の小野智弘に聞いたのがまずかった。


智弘は「ようやくお前も、女に目覚めたか」と大喜びで、

DVDを貸してくれたのだが、そのタイトルが

「禁断の愛、一つ屋根の下で、兄と妹が朝まで○○○」で、

その選択に悪友の悪意を感じながらも、部屋のデッキに挿入して、

ティッシュ片手に見ようとしたら、躓いて、ヘッドホンジャックが外れ、

大音量で、そういう音が部屋に流れてしまい、バッチリ、

隣の部屋の妹に聞かれて、現在に至るのだった。


「えーと、急に、こんな突拍子もない話をしても、

信じてもらえないかも知れないが・・」と

アラタは、神夜月カグヤ・ルナとの出会いや、

その後、自分が体験したこと、そしてルナのお願いの事を、ホタルに話した。


「そうだったんだ、でももっと早くに相談してほしかったな。

だったら協力したのに・・」


「信じてくれるのか?」


「あたり前じゃない。今朝、鏡を見たら、私の傷が綺麗に消えてて、

そしたら急に野犬に襲われた時の記憶が追加されたような感じで出てきて、

お兄ちゃんが助けてくれた記憶に加えて、知らないお姉さんが

助けに来てくれた記憶が現われたの。

でも、お兄ちゃんが、噛みつかれるのは防げなくて、

そのお姉ちゃんも野犬に咬まれながら必死に追い払ってくれて、

私が泣いている間にいなくなってて・・。

そしたら、私の記憶の中には野犬に咬まれた記憶が二重線で

消えているような感じがして、不思議だったの。

だから今日、お兄ちゃんが帰ってきたら、それを聞いてみようと思ってたら、

そそくさと自分の部屋に行っちゃうし、どうしようかなと思ってたら、

いきなり隣から、エッチな音声がするんだもの・・」


「すまん・・」アラタがそう言うと、ホタルが、ポンポンと

ホタルが座っているベッドの横を叩く


「???」アラタが何のゼスチャーか解らず首を傾げると、


「ほら、早くココに座って」そうせかされて、アラタが横に座り


「怒ってないのか?」と聞くと、ホタルはうなずき、涙ぐみながら、


「きっとお兄ちゃんの事だから、また自分を犠牲にして、

私の事を守ってくれたんでしょう?ありがとう・・」と

言って上目遣いにアラタを見上げてきた。


その可愛さにドキッとしながら、

「い、いや気にするな、俺がそうしたいから、そうしただけだ」と

ホタルの頭を撫でた。


するとホタルは

「ぶー、お兄ちゃんに頭を撫でて貰うのも嬉しいけど、

今は違うよ、手はココ」と

両手で、アラタの手を取り、その手を自分のアゴにあてがい

「ほら、アゴをクイッとやって、ホタルにキスして、

そのまま押し倒すの」


「は?な、何言ってるんだ。俺たちは、兄と妹だぞ」


「ヘタレお兄ちゃん!人助けの時はいつも、真っ先に飛び込んでいくのに、

どうしてキスは出来ないの?私がいいって言ってるんだからいいの!

私だって恥ずかしいんだから・・」


「ば、ばか、そう言う事じゃないだろ」


「サイテー、女の子からの勇気を出した誘いを断るなんて、

振られた女の子は一生、心の傷になるよ・・」と

シクシクと泣き始めるホタルに、


「いや、あのごめんホタル。お前を傷つける気持ちはないんだ・・」と

力を緩めると


「だったら、お兄ちゃん・・」とホタルが抱きついてくる

危うく、理性が飛び、ホタルを抱きしめ返そうとしたところで

お約束?の玄関のチャイムが鳴ったのだった。


「神夜さん?どうしてここが・・」

これ幸いと、ホタルの抱きしめから抜け出して、玄関に駆けつけ、

ドアを開けると、神夜月とマーレというアンドロイドメイドがいた。


「昨日ぶりですアラタさま。私の探索機能を使えば、

住居の特定なんて分けないですわ」とマーレがドヤ顔で答えてきた


「確か、マーレさんでしたよね。で、2人はどうしてここに」


「その事に関しては、私から説明いたしますわ、昨日、

アラタさまにお願いしたモノを手に入れるお手伝いをさせて

いただければと思いまして」


「お手伝い?」


「あ、私の記憶の中に突然出てきて、野犬を追い払うのを手伝ってくれた、

お姉さんだ!

お兄ちゃん、立ち話もなんだから、入ってもらってゆっくり話そうよ」

アラタがためらう間もなく、ホタルが2人を招き入れた。


**********************************


「マーレさんの入れてくれた紅茶すごくおいしい!でも、どうして?

地球の紅茶なんて初めて入れたんですよね」


リビングに入ってもらい、昨日の出来事をもう一度、ルナたちの話も加えて

説明し終わり、マーレが入れてくれた紅茶を飲みながら、歓談する。


「私は、ベガの技術を結集して創られたアンドロイドメイドです。

地球の青タヌキロボットのように、いつも行き当たりばったりの

失敗なんかしませんわ、日本中の、いえ地球中のお茶の入れ方を

マスターしていますわ」


(ああ、ド○○もんか、マーレさん、あのマンガまで、チェックしてるのか。

でも、あれはタヌキじゃなくってネコ形ロボットなんだけどな・・)

というアラタの心の中の突っ込みに関係なく

「世界中ですか、マーレさんってすごい!」と

いうホタルの尊敬する言葉に気をよくしたマーレ。


女性陣はすぐに打ち解け合い、密林パッドに入っている、

子供の頃のアラタの写真やショート動画を見ながら、

話がどんどん盛り上がっていった。


そして、先程のアダルトDVDの事件まで、話が進み、

いたたまれなくなったアラタが席を立とうとすると、


「あら、ホタルさんは、それほどまでにアラタさまの事を

お慕いしているのですね。まあ、なんとすばらしい事でしょう。

ホタルさん、私もお手伝いいたしますわ」とマーレが同情した様子で話す。


「でも、お兄ちゃんと、そんな関係になるのは、

この世界では許されないことなんです・・」と悲しむ、ホタルにルナが


「確かに現代の日本では、そうですが、神話時代の日本の天照さまと

須佐之男命さまは、姉弟でありながら夫婦でしたし、他の星でも、

結構あることですから、あまりお気になさらない方がいいのではないでしょうか。

いざとなれば、DNAを変換する注射をして、他人になっちゃえばいいだけですし、

そうだわ、ホタルさん、少し私の目を見ててもらえます」

そう言って、2人が暫く見つめ合っていると、ホタルが急にこちらに近づき


「お兄ちゃん、大好き」と言って抱き付いて、

頭をアラタの胸にグリグリ押しつけてきた。


「ホタル、少し落ち着こう」とアラタが引き離しながら目を見ると

ホタルの目は、マンガで言うところのハート型のようになって、

キラキラと輝いていた。


「まさか、神夜さん、ホタルの心をいじったのか・・」


「いじるなんて、ホタルさんの、現代日本の価値観に捕らわれた

心の枠を外してあげただけですわ」


「ベガ星では、いいのかも知れないけど、ベガ星の考えを、

勝手に地球人に導入するのは、よく考えるべきじゃないかな。

それより、なんだか体が重たくて、悪いけど今日はもう休むよ・・」

アラタがなんとか立ち上がろうとしていると、

「ふふ、薬が効いてきましたね」と、マーレが嬉しそうに呟く


「ま、まさかお前・・」


「大丈夫ですわアラタ様。それはルナ様のお母様(かぐや姫)が使っていた、

しびれ薬ですから、数時間動けなくなるだけで、後遺症もありませんよ。

ちなみに私も精子採取のお手伝いをさせていただきますわ」


「ちょっと、落ち着こうかマーレさん、神夜さん」


「お手伝いすると言ったでしょう?それに神夜さんなんて呼ばないで、

ルナと呼んでくださいね」


「大丈夫、お兄ちゃん、優しくするから」

(それは、お前が吐くセリフじゃないから)と

ホタルに心のツッコミをしながら

「ホタル・・お前そんな性格だったか?

いや、理性のリミッターを外されてるのか」


「お兄ちゃんがヘタレだからよ、ホタルがずーとアプローチしてても、

何にもして来なかったじゃない」


「まて、みんな、ちょっと落ち着こうか」


「ああ、もうじれったいですわね」


「マーレにお任せを」とマーレがアンドロイドパワーで、

アラタを、お姫様抱っこをして、寝室に抱えていったのだった。


**********************************


((ホタル目線))


私はブラコンだ。キッカケは小さいときに野犬に襲われた時だ。

怖くて動けなかった、そのとき、お兄ちゃんが守ってくれた。

自分を犠牲にしながら・・・。

その結果醜い傷跡が残り、いろんな人から、気持ち悪がられたり、

あざ笑れたりしてるのに、私に僅かに残った傷跡の方を気にしてくれて、

「守ってやれなくてゴメン」と事あるごとに言ってくる。


自分はもっと、大きな傷痕が残って、気持ち悪がられてるのに、

なんでこんなほとんど目立たない傷痕を気にしてくれるの?

私は、それ以来ずっと、お兄ちゃんに恋をしている。


そして、内心はお兄ちゃんに傷痕があって良かったと思っている。

だって、お兄ちゃん、本当は凄い美形なんだよ。

傷痕が無かったら、見かけだけで近寄って来る人が沢山いたと思う。

私って、腹黒いかな?


だから、ルナさん達の事も最初は警戒した。でも、話して直ぐに解った。

ルナさんも私と同類だった。お兄ちゃんの外面ではなく、内面に恋してるって。

だから、同盟を結んだ。


そして、本当は、お兄ちゃんは眠っていて、マーレさんが、

お兄ちゃんの股間に装置を取り付けて精子を取り出しただけだけで、

私とルナ姉さんは、添い寝をしただけだけど、


でも、お兄ちゃんの記憶を少し変更して、私たちを抱いたことにしてもらった。

お兄ちゃんゴメンね。

でも、いつか本当にお兄ちゃんと結ばれたいと思っている。

でも、お兄ちゃん固いからなあ。


ベガ星だと、地球と違って何人と結婚してもいいらしい。

と言うか、男がいないらしい。

それに、ベガのテクノロジーで、遺伝子も多少変更できて、

兄と妹で無くなるようにもできるらしい。

まあ、とにかくルナさん達3人で、お兄ちゃんを虜にしていこう。

本当にごめんなさい、お兄ちゃん。


*********************************


翌朝のダイニングテーブルには、マーレが用意したのか、

目玉焼きや、ウインナーにプチトマト、きつね色に焼けたトーストが置かれる


「うわーおいしそう、さすがマーレさん。

こうやってお皿に盛られた朝ご飯なんて、何ヶ月ぶりかな。ね、お兄ちゃん」

ホタルが昨夜の自分の言動を思い出したのか、アラタを見るなり、

顔を赤くしながら美味しそうに、プチトマトを食べる。

得意顔のマーレの横で、ルナも

「これが、地球の一般家庭の朝食なのですね、

しかもアラタさんと一緒に食べられるなんて夢みたい」と呟いている。


「君たち、もう少し、きちんと服をきなさい。

マーレさんは、下着の上にエプロンではなく、ちゃんと服をきてください。

ホタルは、胸のボタンを留めて、ルナさんは、もう一枚、羽織ろうか」


妹のホタルは、なぜかノーブラでアラタのパジャマの上だけを羽織り、

ルナは、アラタの大きめのTシャツで、胸が見えそうで、下は下着だけなのだ。

まるで、同盟を結んだような、ホタルとルナそして、マーレの行動に、

アラタが苦言を呈すると、

「え、男の人と関係を持った翌朝は、

こういう服装が喜ばれるってマーレさんが」

と呟くホタルと、ウンウンと頷くルナ。


「下着を着けずに裸エプロンの方がよろしかったのでしょうか」

とニコリと微笑むマーレ。


美少女と美女の3人が強力な3国同盟を結んだような姿に、

ため息を付ながら、どう責任を取ればいいのか悩むアラタだった。



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