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038 番外編1 首都圏の高速道路改革 その1

「8時10分発の『さくらんぼ狩りツアー』に参加の方は、

こちらにお集まりください」先程ワッペンをくれた、バスガイドさんが

旗を持ちながら周りに声をかけてくる。


「はーい」H○Sのピンクのワッペンを付けた女性陣が

バスガイドさんに返事をして素直にバスの周りに集まって来る。

その後に、そそくさとアラタも付き添い、バスガイドさんの指示に

したがって、バスに乗り込んだ。


「楽しみだね、さくらんぼ狩り。食べ放題だって!」

「私はその後の、海鮮浜焼き食べ放題の方が気になるかな」

「私はどちらも気になります。それにバスツアーも始めてで

この旅行自体に興味がわきます」


そう、アラタは、フルーツ狩りをしてみたいというホタルの要望と、

アワビやホタテなどの海鮮浜焼きを食べてみたいという、

ルナの両方の要望を満たす、旅行の計画を立てている途中で、

電車を乗り継ぎ、現地でクルマを使って移動するよりも、

最初から、それらを回ってくれるバスツアーに参加した方が

良いのではという、マーレの提案に従って、大手H○Sの日帰りの

バスツアーに申し込んだのだ。


新宿の有名な服飾系の専門学校が入る繭のようなビルの前から

出発したバスは、直ぐに首都高速に乗ると、最初の目的地の

「さくらんぼ狩り」のために山梨に向う中央道に入るために、

高速4号新宿線を西に走り始めた。


しかし、直ぐに渋滞にはまり、最初の休憩地の談合坂SAには

30分遅れでの到着だった。


3人の女性陣との座席のローテーションは、相変わらず続いていて、

最初は、ホタルが窓際で隣にアラタ、通路を挟んで、

マーレ、ルナの席順だった。


ただ、さくらんぼの食べ放題を楽しみにしているホタルからは、

いつもの、冷凍ミカ食べさせミッションは、今日は休みで、

代わりに手を繋いでいるだけで、済んでいた。


ツアー参加者は、30名ほどで、家族連れやカップルが多く、

後は女性のグループがほとんどだったため、女性3人に男1人の

アラタ達のハーレムグループも特に目立つ事も無く、

楽しく観光地を巡ることが出来そうだった。


山の斜面で沢山の、さくらんぼの木を管理している、

さくらんぼ農家さんの所では、ホタルが大はしゃぎで、

農家の方が作業用に使う、昇降用リフトに乗せてもらい、

木の上の方のさくらんぼも、食べさせてもらって満足そうだった。


つぎの沼津での海鮮浜焼きの食べ放題では、

今度はルナが大はしゃぎで、ホタテやカキを食べまくった。


そして、三島での日本一長い人用の吊り橋体験を終えて、機嫌良く

新宿への帰路に着いたのだが、そこからが悲惨だった。


なんと、3ヶ所で事故渋滞が発生していて、ツアーバスは運悪く

それにハマって到着が、予定より2時間も遅れたのだった。


<< 後日談 >>


「うーん。バスツアー自体は、とても楽しかったのですが、

最後の事故渋滞には疲れましたね。

いつも、あんなに渋滞するのですか?」


「そうだね、静岡方面から東京に向かう高速道路は、途中までは、

東名高速道路と新東名高速道路が、併せて2本走っているんだけど、

最後は東名高速1本だけになるんだよ。

だから普段から渋滞が起きやすいんだけど、そこに、平日は電車通勤で、

あまり運転に慣れていない週末ドライバーが、家族サービスのために

走るから、あんな感じで、事故を起こしてしまう事も

よくあって、結構な割合で、事故渋滞が発生しているかな・・」


偶然だったのか、あの日の事故は3件とも、乗用車がらみで、

その内2件が家族ずれだった事故現場を

バスから見た事を思い出しながら、アラタが答えた。


「そうですか、事故が起った時に、迂回する高速道路が

無いのが辛いですね。

ドイツのアウトバーンなんかは、平行して2~3本高速道路が

走っているみたいですが、日本の高速道路は、なぜこんなに

少ないのですか?」


「うーん戦前の日本は自動車がそれ程多くなくて、

貨物もほとんど、鉄道で運んでいたからね。

戦後になって、トラック輸送が盛んになると、

ようやく高速道路網が計画されたんだけど、

日本で初めて造られた名神高速道路も1963年開通で、

世界に比べると高速道路の建設が、かなり遅かったんだ。


そのため、多方面から東京に向かう高速道路が計画された時には、

もう地価が上昇していて建設費がかさみ、平行する複数の

高速道路建設は難しくなってしまったんだよ。

今、建設中の新東名も、圏央道の海老名南JCTまでしか

計画されてなくて、その先の東京の都心までは、今まで通り

東名と高速3号渋谷線だけかな」


「えー、じゃあ、渋滞時に回避できる、平行する高速道路は

当分出来ないの?

バスガイドさんが、これから『びわ』や『ぶどう』、『もも』狩りも

楽しめますから、また参加してくださいって言ってたのに・・・

次回も渋滞に巻き込まれるのは嫌だよ、お兄ちゃん!

なんとかならない?」


「うーん、そうだな。鉄道を上手く組み合わせればなんとかなるかも」


「え、どう言うことですか」


アラタはタブレットを見せながら、

「たとえば、新宿から小田原までは、小田急小田原線という

私鉄が走っているんだ。

例えば、この路線を拡張して、さらに2階建てにして、

上部に高速を造ってもらい、海老名辺りで新東名と繋げれば、

静岡方面からの、高速道路は、都心まで全区間で2本になるし、

新百合ヶ丘から多摩方面にも分離して、建設中のリニア新幹線に

平行して甲府まで延ばせば、中央道も甲府から2本の高速道路で

東京に向かえると思うんだよね」


「なるほど、それなら、この京王井の頭線ですか?

この上にも高速を造って今の中央高速の高井戸インターを少し上に上げて、

こっちに繋げて、今の高速4号新宿線をそのまま京王田園調布線の

上に延長して、多摩で繋がれば、さらに便利になるのでは?」


「おお、いいね。そうすれば、都心に向かう首都高も2本に増えるね」


 その後もアラタたちは、検討を重ね、西武新宿線や西武池袋線の上にも

高速道路を建設して拝島や所沢、飯能へのアクセスの改善を考えた。


そして、東武東上線やNR八高線を利用して、藤岡までの関越道の

バイパスになる高速道路も計画したのだった。


そして、ある夜、小田急や京王線、西武新宿線や池袋線、

そして東武東上線やNR八高線が光に包まれたのだった。


**********************************


「あ、今回も、お姉さんがバスガイドさんなんですね

よろしくお願いします」


「あら、前に『さくらんぼ狩りツアー』に参加してくださった方々ですね!

今日もよろしくお願いします。

前回の『さくらんぼ』に続いて『びわ』も豊作だそうですよ。」

そう言いながら、バスガイドさんが、名前と人数を確認して、

ピンクのワッペンを渡していく。


前回と同じく、繭のようなビルの前から出発したバスは、

直ぐに首都高速に乗ると、高速4号新宿線を西に走るのだが、

今度は、なんと首都高は、3階建てになっていて、山梨方面には

2階部分、東京都心へは3階部分をそれぞれ、4車線で

走れるようになっていた。


さらに明大前から、拡張された井の頭線の上を走り中央道の

高井戸インターまで繋がっているようだった。

アラタたちのバスは、そのルートを通るみたいだが、

今まで通り、甲州街道上を走るルートも建設されているようで、

そちらは、京王田園調布線の上を走り、橋本からリニア線に平行して

甲府に向かうようだった。(下道の甲州街道も、側道2車線

主道3車線に拡張され、地下を走る京王線も複々線に増線されている)


おかげで、渋滞にハマる事も無く、時間通り、山梨のびわ農家に到着し、

その後も前回と同様に、沼津に寄って、海鮮浜焼き食べ放題を

堪能して、帰りも渋滞にも巻き込まれずに、予定時刻に新宿に

帰ってくることができたのだった。


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