五話 訓練、あとご馳走
ギルド長との話から少し経ち・・・
「そう、そうだ、そんな感じだ」
今俺は、メリーの銃の訓練に付き合ってる。
訓練は、身体能力強化のもあるが、まずはこれからだ。
勉強に関しては、俺が下手に教えるよりは、メリー自身でやってた方が良く進むだろう
と考え、俺の唯一教えられそうなことである、銃を教えている。
「凄いな・・・始めて数日でここまで伸びるとはな」
メリーの射撃技術には、目を見張るものがあった。
銃の訓練を始めて一週間も経ってないのに、8割がたの銃弾を訓練用のカカシに当てているのだ。
「どう?ウェル。私、そこそこやれてるんじゃない?」
「ああ、やれてる。数年もしたら、俺より射撃が上手くなるんじゃないか?」
俺は、冗談交じりにそんなことを言ってみた。
事実、メリーの射撃の腕は、あと数年も訓練を続ければ、容易に俺に届くだろう。
メリーの才能には、つくづく驚かされる。
「よし、メリー」
「もう時間?」
暫くするうち、ここの訓練場がもうすぐ閉まる時間になってきた。
「ああ、訓練場がそろそろ閉まる。帰るぞー」
「うん、わかった。もうお腹ペコペコだよ」
「ご飯は、もう炊けてるはずだ。後は、帰っておかずの準備するだけだ。すぐできる」
「やった!だから、一旦帰ってたんだね」
「だな、よし、帰ろう」
帰宅してから、俺は早速おかずを作り始めた。
「さて、まずは、鶏肉を捌いて・・・」
「そして自家製タレに浸して・・・」
「いい感じにマイタケを切って・・・」
「そしてそれを鶏肉にのせて・・・」
「そして、ホイルにのせて包んだこいつをオーブンに入れて・・・」
15分後・・・
「よし、できた!鶏肉とマイタケのホイル包み焼きだ!」
「よーし、メリー。ご飯をよそってくれ」
「はーい」
そして、机に料理が出そろい・・・
「いただきます!」
相変わらず、メリーはおいしそうに料理を食べてくれる
その光景に、思わず、俺も笑みがこぼれる。
こういうのも、なかなか、悪くないものだ。
「ウェル、おかわりある?」
「ん、あぁ、台所のとこにまだあるぞ」
「はーい」
そして俺たちは、食べ終わり、二人で食器を片付け始めた。
「あぁ、そうだ。メリー」
「ん?どうしたの?ウェル」
「お前にプレゼントがあるんだ、そこにある小包、食器洗い終わったら開けてくれ」
「うん、わかった。何が入ってるのかなー」
ほんとに、今この瞬間が楽しい
孤児だった俺に、初めてできた家族
この瞬間を、ずっと・・・ずっと大切にしていきたい
俺は、そんなことを思った。