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二話 雪の降る地獄

この世界は、地獄だ。


冷気で満たされた、地獄の窯


この世界は、年中雪が降っている。

雪が降らないのは、1年の半分ほどしかない。

俺が子供の時に、ある話を聞いたことがある。

「100年前までは、”季節”があった」と

これが本当のことかどうかは、子供の時はわからなかったし、今は、そんなことに興味もない。


銃と銃弾の整備をしながら、ふと、そんなことを思い出していた。


「はぁ・・・俺も、もう35か・・・」


にしても、どうにも出会いがなかったものだ。

結局、妻を迎えることもなく、この年になって・・・

養子を迎えることになった。


そういえば、メリーは、今何をやってるんだ?

ここには、子供が遊ぶような物など無い

ヒマをつぶせるようなものは、ギルド長から押し付けられた、歴史書とかの本だけだ。

もっとも、俺は全く読んでないが。


俺は、自室から出て、リビングに向かった。


「メリー、暇とかじゃないか?」


「ん、大丈夫だよ」


メリーは、俺の家の、無駄に二つあった本棚から、本を取り出して、熱心に読んでいた。


「それ、難しくないか?」


「そう?面白いよ」


「あ、あぁ・・・そうか」


どうやら、メリーは俺よりも賢いらしい

俺は飲み物を取り出して、リビングの椅子に座らながら、そんなことを考えていた。


「そういえば、メリー。お前いくつなんだ?」


「このあいだ、10歳になった」


「そうか・・・賢いんだな、メリーは」


「お父さんは、外の科学者だったから」


「そうなのか?魔法とかは使えたのか?」

この問いに、メリーは直ぐに答えた


「全然」


俺は、科学者という言葉と”魔法が使えない”ということを聞いて、少し驚いていた。

今の世の中、かなり素っ頓狂なことだったからだ。


それに、”外”は、魔物とならず者であふれている

そんなところを、魔法が使えない、ハンター以外が居るというのは、正しく自殺行為だからだ。


「・・・親父さんは?」


「・・・わかんない、”大事なもの”を探しに行くって言って、家から出てってから・・・」


「そうか・・・」


メリーの言う家というのは、おそらく俺がメリーと出会った、旧時代の地下シェルターのことだろう

しかし、そんなことよりも、こんなことを聞いてしまった俺は、少し気まずくなっていた。


「その・・・なんか、すまなかったな」


「いいよ・・・別に」


「その・・・なんか、買ってこようか?」

俺は、なんとか話題を変えようと、どうにもありきたりな質問をした。


「美味しいもの買ってきて・・・」


「あぁ、わかった」

二つ返事でその要望に答え、俺は軽く装備を整え、買い物に行くことにした。

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