1.梅月の宮邸
遅くなりました!やっと1話ですね!引き続きよろしくお願いします!
分かりにくい所教えて頂けると助かります!
輝夜は梅月の宮(ここからは梅月と呼ぶ)の邸の東の対を頂き、女房達と今までの様に琴や琵琶、横笛を鳴らし、双六をしたり詠を詠んだりして過ごしていた。
梅月は時折東の対の屋に来ては、輝夜に今日は何をしたか、最近は何が好きかなどと語りかけ、新しい玩具はいらないか?とまるで親の様に接して下さった。輝夜はなぜ梅月がこんなにも自分に良くしてくださるのか分からなかった。だが、宮は母上の知人であると女房が教えてくれたので、そうなのか。と梅月に身を委ね、これまでと同じ様に外と関わりを持たずに過ごした。
今日は梅月の邸で宴が行われているらしい。庭には沢山のあかりが灯り、笛や琴などの雅な音色にのせて人々の笑い声が聞こえる。
輝夜は人と関わるということをあまりした事がないし、特に来いとも言われていないので、宴のある日はいつも東の対の屋に籠り書物を読み耽ったり琴の練習をしたりしていた。
今日も同じように書をぱらぱらと捲っていると急に梅月が御簾をあげ、現れた。
「宮様。どうされましたか?」
梅月はまだ宴の最中のはずである。もしかしたら、何かあったのかもしれない。宮は無言のまま輝夜に近づくと急に輝夜を抱きすくめた。
「宮様っ?......」
人にあまり触れたことの無い輝夜は急に梅月に抱きしめられ、驚き固まって動けなくなった。抵抗して離れようとすればもっと力が強くなり輝夜はどうすればいいのか分からない。
「宮様っ、、苦しいですっ、、、!」
梅月の輝夜を抱く力が少し緩む。
「宮様どうされたのですか?」
梅月の顔を見上げる。
梅月は目を虚ろに見開き、輝夜を見つめている。
「お前は私から離れるのか?なぁ、離れないよな?」
きつい口調で輝夜に問う。
「宮様、何を仰っているのです?何があったのです?」
異常な様子の梅月に輝夜は少し怖くなる。
「は、離してください。宮様怖いです。」
「さぁ輝夜、これを飲むんだ。」
梅月は胸から出した小さな陶器の小瓶を輝夜の口に押し付け、中の液体を注いだ。大半が顎をつたい単を汚すが、少し口に入ってしまう。輝夜は思わずこくりと飲み込んでしまった。
「んっ、、、、あっ、、、、」
胸が締め付けられるように痛い。目の前がぐるぐるとまわって天と地がひっくり返るような錯覚に陥る。輝夜をいつものように優しい目で見つめる梅月の腕の中で気を失った。
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“月の世界”について分かりにくいという意見を頂いたので、次回は説明回にしようと思います!キャラがもっとでてきたらキャラ設定などの情報も入れていきます!