地獄旅行
こんにちは
ベアです
今回の作品は
地獄巡りをした時の
エッセイです
どうぞご覧くださいませ
僕が地獄を探検した日の話し
僕は初対面の人となら
あまり気を遣わなくて
気軽に話せるんだけど
段々と闇を暴いていく内に
その人の触れてはいけない部分まで
触れてしまい
その人が怖がってしまう事があった
僕は只仲良くしたかっただけさ
地獄
火のごとく燃え続ける世界
永遠に熱が冷めることは
ないだろう
僕はこの地獄の各国を旅する
切符を何故か手渡された
絶対に行きたくない場所
そんな場所に
仏様のような彼と共に
地獄を回ったんだ
この事を書くには
勇気が必要だ
少なくとも僕には
まだ地獄の名残がある
今でも思い出すと
気が狂いそうになる
仏様のような彼
彼の名前は
観音さん
慌てず騒がずお話し好きな
関西人
僕は彼に心を救われた
夏の8時35分
せっかち野郎な僕は
現地で静かに彼を待っていた
彼は違う島から派遣されてきた
僕と鬼ヶ島に行く為に
僕は身の毛がよだつ程
本当に学校が嫌いだ
「おはようございます」
人を威圧しない
人の良い挨拶がこちらに来た
彼は僕の目の前に立った
家族がいる
普通の男性だった
僕は地獄巡りを開始した
生憎学校は夏休み期間中だった為
部に所属している
生徒たちがいた
僕は観音さんと
今回の案件を依頼された
メイドさんと一緒に
地獄に挑んだ
僕はさ
一般常識なるものに関しては
一応捉えているつもりなんだけど
てんで人のペースを乱すから
よく迷惑を掛けたもんだよ
メイドさんの車に
性懲りも無く乗せて貰って
申し訳なかったなと
謝りたいよ
メイドさんは
案件の内容を
3日程
僕らに伝授して
現場を去っていった
観音さんと2人行動
僕たちは歩いた
父親くらい歳の離れた人だったけど
僕は歳上の方が落ち着く
彼は本当にお話し好きだった
そんなに言葉が出せるなんて
僕には羨ましかったよ
学校の職員室
冷房の効いた部屋
どこも同じ造りをしていた
校長室
職員の椅子机
タブレットの棚
僕たちは作業を続けた
量は少なくはなかったが
勝手が分かれば
1人でも作業が出来る案件だった
僕たちは2手に別れて作業をした
カチカチカチカチ
「あの書類の話し何だけどさ」
カチカチカチカチ
「あいつ本当に進路どうするの?」
カチカチカチカチ
「もしもし〇〇小学校の~」
カチカチカチカチ
人間の仕事だ
僕が学校が嫌いな理由
それはね
感じ過ぎて人格が暴れ出してしまうから
僕はフィルターがぶっ壊れてるから
色んなものを受け取りやすい
拒否出来ないんだ
なのに
受け取ってばかりいたら
容量がたりなくなって
システムエラーを起こしてしまう
その度僕は
人が変わったかのように
家にある大切なものを
壊さずにはいられなかった
その度に
僕は学校に行くと
また容量を空っぽにしなきゃいけないから
至極地獄に等しい日々を送っていた
またせっかちが出た
夕方の案件
丁度甲子園の優勝が決まる日だった
僕は仕事を早く終わらせたくて
テレビを観ている職員の方に
内心ムカついていた
「あの人が使用している機器でラストなのにさ〜」
なんて思ってた
僕は観音さんに言われた
「まあ気長にやっていきましょ」
そんな風に言われては
僕も言葉が出ない
僕は渋々優勝が決まるのを
ただただ見つめるしかなかった
様々な地獄を巡るうちに
僕は運命的な出会いを果たした
あの人を知っている
僕はその先生に対して
苦手意識を持っていた
当時の彼は酷く頑固で
関わりたくない人物NO.1だった
自分の意見を通すのは
正攻法として真っ直ぐだけど
あまりにも真っ直ぐ過ぎて
壁に衝突する機会も多いだろう
僕はなるべく関わりたくなかった
あの頑固者に
そんな気持ちで彼の隣の席で
作業をし続けていた
が
神様は
いたずらを仕掛けてきた
「あれおかしいな」
彼の機器を担当したのは紛れもなく
僕だ
まずいまずいぞ
これはコミュ障にとって
非常にまずい
それでも僕は
彼の機器を担当していた身であった為
彼の機器の不具合を調査した
そんな僕を
彼はじっと見つめていた
僕は
少し話しかけてみた
「あの〇〇中学校出身の者なんですけど」
「覚えていらっしゃいますか?」
僕は警戒心を纏いながら
彼に問いかけた
すると彼は
「うん?」
「確かに配属していたな」
「でも申し訳ない」
「生徒の数が多すぎて覚えていないんだ」
その時
彼の声音から読み取った感情は
あの頃のものと似ているようで
けれど
確かに変化していた
彼もあれから
色々な事に遭遇しただろう
その経験から何かを学び得たんだろう
人は成長する生き物だ
だから
肉体を持って生まれたんだ
僕らの地獄巡り最終日
身体に纏わりついた
火傷を癒す日は
もう直ぐそこだった
彼は
僕が地獄に
酷く恐れていた事を
見抜いていたかのように
言葉を連ねた
「生きていけば」
「必ず良い事があるよ」
「きっと幸せになれるから」
そんな優しい彼の言葉は
火傷を癒してくれた
ように感じた
最後まで
ご覧頂きまして
誠にありがとうございます
次回作もぜひ
よろしくお願いします