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回復と試練

「今日で四日かぁ・・・殆ど全回復したと思う。」

そう魔王に向かって言った途端。

「マテマテ!ビビがツルテカ顔で戻る迄居て貰わねばならん!イライラ状態のままだったら俺達の命が危うい。」


「・・・。」

本気で焦り出す魔王に言葉が出ない・・・すると。


「土産じゃ無いが肉料理と保存食を大量に持たせてやるからもう少し居てくれ。」


部屋の片隅に居た宰相がそっと涙を拭う姿が見え更に言葉を無くす・・・。


「と、とにかく落ち着け魔王、ビビちゃんが戻る迄は居る事にするから。」

「頼む、ってかホントお願いしますよこっちは命の危機だから何でもするよ。」


『なんか・・・ドンドン卑屈になっていくな・・・』そう思いながらも顔には出さないようにしながら話を逸らす。

「なぁ魔王、戦神の加護スキル自分に使ってみてももう大丈夫じゃないかな?」

「そうだな・・・まぁ倒れる事は無いと思うぞ。」


魔王からの言葉に納得して『では。』と自分に術を掛ける為に瞑目する・・・ゆっくりと頭の中で呪文を唱えると自分の体が一瞬だけ光ったのを見て魔王が『どうだ?』と言って来た。


「・・・何ら変わって無いような・・・。」

「感覚に頼ってもわからんだろ、お前この星の生態系の頂点なんだろうし合う物差しが無いんだからちゃんとステータス確認してみろ。」


ナルホドと思いステータスを表示させてみると・・・。

 


 アリシア・フローレン ??才 女

 レベル 1

 種族  人間?(星界)全能神(天界)

 職業  勇者女神(天職 剣聖 闘神 武神 覇神王)

 称号  女神(天地神)

 体力  22(+????×2)

 筋力  18(+????×2)

 敏捷  12(+????×2)

 耐性  10(+????×2)

 魔力  33(+????×2)

 魔耐  20(+????×2)

 運   9999(+????×2)

 技能  全神の加護 (全技能習得)


    (女神からの引継ぎ技は全て使用可能 効力×2)

 

 特殊技 ヒロイン願望 神威発動


    (女神からの引継ぎ特技は全て使用可能 効力×2)

     全空庫掌握 全亜空庫掌握


 固有技 天地掌握 時空掌握 (天地、時空両掌握により全世界掌握可能)

     

     神剣創造 神鎧創造 戦闘術創造 戦闘魔術創造 神聖呪詛創造

     

     武器耐性 魔術耐性 武器反射 魔術反射


     全能神の効果により人類としての限界無効

     全技能習得の効果により重ね掛け、技の効果力可変調整可

     全技能習得の効果により天界より光の力の補助作用発動

     光の力の補助作用により堕天紋消失

    (女神からの引継ぎ固有技は全て使用可能 効力×2)

 

神威技 神威力収奪 世界創造 世界消滅


    神威完全開放制限解除


「な!ななななな・・・何これ???」


自分のステータスに混乱していると魔王が『どれどれ。』と覗き込んで来た。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お・・・お前・・・。」


魔王がぎこちない動きで後退り『高位神とは・・・最上級をも簒奪できる上級神・・・』と呟きながらまたもや土下座姿勢になり・・・。


「ぜ、全能神様におかれましては今迄の非礼を何卒御許しくださりこの星の改変を抑えまた我等堕天を見逃していただかれますよう平にお願い申し上げます。」


高位神?魔王の言葉でますます混乱してくる・・・

「私が高位神???そんな馬鹿な・・・。」


これから自由気ままに楽しくヒロインを演じる予定だったのだが・・・か弱い村娘願望がドンドン遠ざかる・・・。

「有り得ない、これでレベル1って・・・ねぇ魔王!これって元に戻せない???」


土下座状態のまま魔王が答え出した。

「全能神様の御言葉は絶対ですが堕天である私にはいかな無理を御申しつけ頂いても出来かねます・・・まさか・・・わざと無理を言い出し裁く口実を作ろうとしているのでは・・・?」


何気にガクブル状態の魔王に溜息が漏れる・・・自分の戦神としての加護でどうしてこうなったか訳が分からず悩んでいてもどうしようもないのだが・・・どうしたモノかと悩み言葉が出ないで居ると突然視界が眩む。

「眩しい・・・何事???」


私は咄嗟に両手で瞳を守ったが魔王は・・・ガクブル状態で反応が遅れたのだろうが・・・。

「うおおおおおっ!!!目がぁ!!!!」

のたうち回っていた・・・

光が収束して輪郭がはっきりし始めた時声が聞こえた。


「いやぁーワシからの加護との相乗効果で恐ろしい程の力を持っちゃったようじゃのぉ。」


その声に反応したのは魔王。

「誰だ!これ以上恐ろしい奴が現れたら俺は逃げるぞ!!!」

立ち上がって私を指差しながら何とも理不尽な事を言い放ってから転移の術を放とうとしていた・・・が、いつの間にか張られた結界に阻まれた。


「これこれ、そう慌てるでないワシはそこな勇者に頼み事をしに来ただけじゃ・・・アリシアよワシは最古の神『創世神』とでも言おうかのぅ・・・頼み事をするのに手土産代わりに加護を授けると同時に女神が自分に自分の加護を授けるなど出来ないはずが堕天となれば猶更・・・人間となっていた御主には授ける事が出来るとは・・・多重加護は一部出来るが理を超える事は無いのじゃがのぉ・・・同時発動による相乗効果で強大な力を持ってしまったようじゃ・・・イヤハヤ困った困った、じゃがしかし!誰にも負けぬ御主になら頼みやすくも有るし・・・ま、良いか・・・悪い事をしている堕天神を一掃してくれ。」


「・・・・・・・・・ハ?????」

超軽~く言われた意味が分からない・・・。


「何も抹殺しろと言っているわけでは無いのじゃ、あ奴等が悪い事をしても碌な目にあわないと思わせてくれれば良いのじゃ一応元神なので現世で穢れを落とし魂の還元で神に戻せるようにしたいのでな、まぁこれ以上ワシが神の魂を創れぬのでなぁ・・・・・・・・あれ?お主・・・ひょっとしてワシの後を継げるのでは???」


それこそ『ハァ?』である。


「お主のスキルに『世界創造』が有るのぅ、そのスキルはワシだけのスキルで『神を創造』出来るのじゃ・・・これは降って湧いた世代交代か?更に『神聖呪詛創造」って聞いた事も無い技術だし・・・『神の名において言う事聞かない奴は呪ってやる』ってか?おおコワッ!」


いったい何を言い出すやら・・・

「???・・・イヤ!イヤイヤイヤ!!オカシイから!!!私はただの『元女神』最上級神など有り得ない!しかも堕天神達を懲らしめろとは・・・そもそも何故堕天を御許しになったのですか?貴方のお力で止める事が出来たでしょう?」

「むぅ、諫言耳が痛いのぅ暫し前からワシが新たな神を創造出来ぬと誰かが気付いてしまいこれから自分達だけで世界を管理しなければイカンと知った者達がおってなぁ・・・。」

「それで逃げ出したと?何て無責任な!」


怒りの声を上げるとまたもや魔王がガクブルしだした。

「だからこそ星々の魂持つ者から選んで低級神に掬い上げゆくゆくは神の仕事をさせようとしては居たのじゃが・・・次々堕天するとは、まさか更に悪に穢れ悪さをしだすとは思わなんだし・・・すまぬのぅ。」


仕方が無いと思いながら諦めて頼みを聞くしかない、そこで嫌な予感を覚えながら一つの疑問を投げ掛ける。


「頼み事はわかりましたが一つだけ御教えください、星々に生息する魔術魔法が使える者は皆強制召喚で神々を召喚出来るのですか?勇者召喚で召喚された私としては自分より上位に居る者を疑似魔法や契約一時召喚ならいざ知らず強制召喚する、しかもただの少女が自分一人の力で縛る事が出来るとは思えないのですが・・・。」


「ん?ただの少女じゃないよ、あの子の祖母と母親は堕天神だし祖母は粛清対象者じゃ。」


・・・納得できる理由ではある・・・が・・・。

「教皇の妻が元神で悪党・・・。」

脱力感が湧き近くの長椅子に腰掛け魔王に指差しながら。


「これも対象者ですか?」

「ナイナイ、そ奴はしみったれの愉快犯じゃし悪党共とは度胸も行動力も桁が違う『小心者の悪戯小僧』って程度じゃ、それより言っておくぞお主のスキルの『ヒロイン願望』じゃが器に入れるのは器の能力値までじゃから気を付けるとよかろう、まぁアリシアの力なら魔術でどうにでもできようが・・・器を壊さぬようにの、一旦発動させたら願いが叶ったと認められるまで元の自分に戻れんのが難儀な所かのうまぁ一度でも発動させたらヒロインになれるよう頑張る事じゃな。」


「・・・エ?・・・器の能力値?自分に戻るのに条件付き?」

創世神の言葉に対する疑問が口から零れだした。


「何じゃ知らなかったのか?器の基礎能力を上回る力は器に過度の負担になるから無理すると器が壊れる可能性があるしヒロイン願望は願望が叶わぬと終われない、まぁ器を飛躍的に底上げさせるという裏技は有るがの、とにかく悪事を働く奴らに御灸を据えてくれアリシアなら出来ると思って頼んで居るのだ上手くやってくれればその後は何とでもするしの、宜しく頼んだぞ。」


そう言い残して一瞬で光が消えた。

「・・・・・・・・・・・」

言葉が出ないで居ると・・・


「俺は粛清対象外だよな・・・ふぅ・・・焦った焦った消されるかと思ったよ。」

魔王が安堵の声を発し始めた時ビビちゃんが戻って来た。


「皆大丈夫?ここから物凄い波動が放出されてたから急いで戻って来た、いったい何が有った?」


「神のトップが現れてアリシアに頼み事して帰った。」

ビビちゃんにザックリと応えたのは魔王だった。


「何だ、大した事じゃ無かったんだな・・・ところでアリシアは塔に行くのか?行くならちゃんと準備してから出発だな、従者代わりに私も同行しよう。」


「おお、それが良いと思う今のお前の力を確認する意味でもレベル上げにも最適だろうな。」


どうやら私の意志は関係無く塔に上らねばいけなようだったので流されながらも塔に上る準備を進めるのだった。

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