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 魔王の所から召喚された後に案内された部屋に戻ると頭に魔王の声が響いた。


「おい、忘れてたがビビとも契約して置くぞ、こっちの書類にビビを追加するのにお前の言霊契約認証で良いから念話に言霊乗せて了解の念を送ってくれ。」


 魔王に言われて念を送ると突然背後に気配を感じたので振り返ると。

「驚いたな、全数値カンストして限界突破後いくら能力値をそれ程上げれて無いとはいえ私の気配遮断が通じないとはな・・・なら見えずともわかろうビビだ・・・一つ聞いて良いか?私は美の女神だったが天界うえでの役職はなんだったんだ?」



「ああ、私は人員不足で豊穣と戦と知恵の三つを掛け持ちしてこの星では戦を受け持っていた。」


「そりゃまた凄いなそれじゃあ女神としての能力値も高いんだな・・・ちょっと待て、戦の女神がこっちに来たって事はこれからこの国の戦士達など戦いを生業にしてる奴等に戦系の戦神の加護スキルは次の戦の管理者が現れるまで発現しないって事か・・・まぁ人間が勇者として女神を召喚したんだから自業自得か?魔族にとっては迷惑この上ないな・・・ところで偽装だろうが何故レベル1にしたんだ?レベル1って事は人間なら生まれた時から上がって無いって事だろう?普通どんな弱い人間でも成人までに二桁は行ってるぞ。」


「え?でも魔王は何も言ってなかったし。」

「ダメダメ、カールは細かい事気にしないわよそもそもレベル1って何よ人間は成長と共にある程度自然に上がるのに、私達だって降った時に神の力は奪われたけど人間や魔族よりは遥かに高いレベルだったわ、そんなんじゃ偽装だってバレたくてやってるように思われるわよチョット本当のステータス見せてよ。」


「誰も来る気配が無いから今なら大丈夫かな?」


 アリシア・フローレン 18才 女

 レベル 1

 種族  人間(+女神)

 職業  勇者(天職 女神)

 称号  元女神

 体力  22(+???)

 筋力  18(+???)

 敏捷  12(+???)

 耐性  10(+???)

 魔力  33(+???)

 魔耐  20(+???)

 運   9999(限界突破レベルMAX) (+???)

 技能  なし(女神からの引継ぎ技は全て使用可能)

 特殊技 ヒロイン願望(女神からの引継ぎ特技は全て使用可能)

 亜空庫持ち


「は?レベル1?何で???ってかあんた魔属領北にある最難関試練の塔のエンシェントドラゴンをレベル1のまま倒したら限界突破から何から全てカンストするんじゃないの????やってみたら?まぁそんな事しなくても女神の力がそのままなんだしこの世界じゃ最強だろうけどね・・・運がもうね・・・笑顔一つでこの星掌握しそうだし・・・とにかく、偽装のレベルは15位にしときなよ、ん?誰か来たようだ私はここを少し離れる用が有ったら念話を。」


「分かったそうしよう。」


 ビビが去ってから椅子に座りなおしその後少ししてから扉を叩き人が入って来た、修道女姿の女性二人が扉を閉めた後深々と頭を下げ口を開く。

「少しは落ち着きましたか勇者様、教皇様の準備が整うまでもう少しお待たせする事となりますので紅茶と菓子をお持ちしました、それから失礼とは存じますがこの後勇者様のステータスを確認させて頂く為魔術師が来られますのでもう少しお待ちくださいませ。」


 彼女らは手慣れた動きで紅茶と菓子を入れ替えて『失礼します』と言って出て行ったのを見ながら。


『おい魔王、聞こえて居るのだろう?私の頭に使い魔か何かくっ付けてよこしたようだし、ステータス確認とか言ってるが普通に見せれば良いのか?』


『クッ・・・何でもお見通しかよ・・・アホかお前は、人間に出来ない事をサラッとやるんじゃない!俺達とは違って人間がステータスを確認するにはそれなりの魔術師がステータス確認の術を使うか専用の器具を使わないと出来ないんだよ。』

『エーーーーーー。』

『うわぁースッゲー嫌そうだな、そう嫌がるなよ人間も・・・チッ!使い魔がやられたようだな・・・さっきから何なんだこれ?』


『ああ、お茶を運んで来た修道女と入れ替わりに隠れながらやって来たお客さん?が先端に何か塗ってるほっそい針飛ばして来るんだよねぇ、まぁ無害だから構わないけど・・・息切れしはじめたようだし・・・。』


『・・・・・・我が国の国宝級のナイフさえ刃毀れ起こすのにただの針って・・・知らないって酷だなぁ相手が気の毒に思えるよ。』

『あ!マズイ!!』

『ん?どうした?』

『チョッと待ってて今からやられた振りしないと本当にマズイ。』


「グアッ!やーらーれーたー・・・パタリ・・・」

 私は見事な演技でやられた振りをすると安堵したように四人の男達が自分の姿が見えてる事に気付き慌て始めると天井が破れて中々の音を立てて人が落ちて来た。


「クソッ!マズイ!衛士隊が来る!皆散開して逃げるぞ!」

 リーダーらしき男が声を上げるとドタドタと音を立てながら逃げはじめた、その後扉が勢い良く開けられ衛士隊が入って来て声を上げる。


「賊を逃がすな!全員捕らえろ!」


 その後賊はろくな抵抗も出来ず捕らえられた。

「勇者様、無事でしたか。」

「あ、ああ少し疲れて眠ってしまったようだわ。」

 衛士隊の一人に声を掛けられて無事だと言いながら素晴らしい言い訳を告げる。


 衛士隊が賊を連れて部屋を後にしてから一人の牧師が来て。

「勇者様には隣の部屋に移ってもらます、散らかったこの部屋では失礼ですしね。」


 そう言いながら扉を手で指し示し促されたので言葉通りに隣の部屋に移ると先程と同じ修道女が紅茶と菓子を運んで来て。

「お騒がせして大変すみませんでした、先程の部屋には劣りますがこちらでお寛ぎください。」

 紅茶を入れ終えて彼女らが出て行ってから念話を再開しようとすると魔王から念話が来た。


『オイオイオイ!ありゃ何だ?使い魔がやられたんで次の使い魔をお前に飛ばしてから見えたのは素人も真っ青な鈍臭い男共がドタバタ騒いでる姿だったし、天井からも一人落ちて来て・・・まぁビビも一緒に落ちて来て気配遮断や隠蔽が消えかける程腹抱えて転げまわってたが・・・ビビはまぁ良いが、どうしてああなった。』


『女神の力が使えるか試しただけ、ホントあの時ビビちゃんのせいで私まで笑い出しそうになったわよ「ここから少し離れる用が有ったら念話を」とか言うからどっか他に行ってるのかと思ってたのに、少し離れる=3~4m離れるって落ちで『念話どころか普通に会話できる距離だろ!』そう思って吹き出しそうで苦しかったわよ。』

『意味がわからん、何があったかちゃんと説明してくれ。』


『私はこの星の戦の女神だったからチョッと試しに戦系の戦神の加護スキルを剥奪したらああなったのよ、戻そうとしたら出来なかったってわけ。』


『・・・相手が気の毒処か悲惨だな・・・加護スキル奪われたら生きてけねぇだろ奴等・・・。』

『また誰か来たようよ。』


 扉が叩かれてから先程の牧師が『失礼します』と言いながら入って来て。


「先程は大変お騒がせして申し訳ありませんでした、勇者様の能力確認ですが先程捕らえた輩への尋問に魔術師が携わってしまいまして、すいませんが予定が狂い今から教皇様との謁見をお願いいたします。」


 そう言われてから立ち上がり歩き出すと牧師が頷き先を歩き出した、しばらく歩くと正面に大扉が現れた。

「これより先は勇者様お一人にてどうぞ。」

 そう言ってから扉横の小窓に備えられたベルを鳴らすと大扉がゆっくりと開きだし。

「勇者様、お入りください。」

 女性の声が聞こえたのでゆっくりと歩を進め部屋の中央迄進むと一人の豪華な服を着た老人が椅子から立ち上がり口を開く。


「初めまして勇者殿私はこの国の教皇エンドラル・フィン・アクアラグナと申す者、こちらの勝手で申し訳ないが勇者殿には魔王討伐に尽力願いたい。」


「その事なのですが、私はレベル15のただの一般人ですよスキルも何も無い私が魔王討伐の為の勇者召喚で何故召喚されたのか理解できません。」


「・・・は?レベル15でスキル無し?・・・召喚失敗?そんな馬鹿な・・・勇者殿を召喚した者は『この星で一番の戦士を召喚した』と・・・」

 ああ、だから私なのかせめて人間とかに限定すれば良いものを・・・。


「今のままでは誰かと戦うなんて無理ですので今から修行の旅に出たいと思います、暫く戻りませんのでヨロシク。」

「えっ?あっ!」

 そう!私は無力で虚弱な町娘をアピールしながらそそくさと退散を狙う、教皇が何か言い出そうとしたがもう遅い、私は魔王の所に転移した。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 教皇の側近が茫然としながら思った事を口にする。

「あのぉ教皇様、勇者様が消えましたね・・・。」

「消えたのぉ・・・ひょっとして転移の魔法?か?・・・。」

「転移魔法・・・ですよね・・・レベル15で古代の遺失魔法を使った・・・のでしょうか・・・。」

「は・・・はは・・・はははは・・・もうわけわからんのぉ勇者殿は・・・悩んでも仕方が無いのぉ・・・向こうで御茶にしようぞ。」

「はい。」

 二人は悩むのを止めて謁見の間を出て行くのだった。

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