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妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第6章 エルフ村
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6-11 最終試練

あけましておめでとうございます。

本編終了までもう少し、ラストスパートがんばります。

 1層ずつ確実に休憩を取りながら進み第4層を突破すると、今までと違って金色の扉の部屋であった。


「いよいよ、この部屋の次が最終試練のようです」


「最終試練?」


「いわゆるボス部屋ですね」


「ボスは一定?」


「10種類くらいからランダムみたいですよ。

 ボスのタイプによりステージも変わるようです」


「じゃ、あまり対策もたてられないか」


「そうですね」


 ボス部屋の前にしっかり休憩をとった(することはしてからだが)。

 さすがに最終の部屋だけあって、装備も充実している。

 何種類かの剣のうち、もっともしっくりくる剣を選択。予備の武器として投げナイフを数本もっておこう。

 防具は迷った末、動きやすさを優先して軽めの革鎧を装備した。

 ライナは速射できそうな弓に、やはり革鎧を。

 さすがにボス戦を前にして着ごこちは置いておいたようだ。


 準備は万端ということで、ボス部屋へ突入した。

 そこは、太陽が輝く海岸……いくら精神体だけとはいえ、世界樹の中のこの光景はありえないだろ。

 とか、文句言っててもしかたない。

 敵はどうやらクラーケンのようだ。


「時間制限とかないよな」


「無制限のはずです」


「海にひきずりこまれたら終わりだ。できるだけ下がって弓で陸上まで誘導しよう」


「OK!」


 ライナはクラーケンに対し、次々と矢を速射した。

 クラーケンは反応したが、上陸してくる気配はない。その触手を何本かこちらに這わせてきた。

 それは予想済み。

 俺は近づいてきた触手を1本ずつすかさず切り落としていく。

 切り落とされた触手がしばらく動き続けてギョッとしたが、しばらくすると触手は動かなくなった。

 あのまま触手だけで自由に行動されると、ちと困ったことになるところだった。


 何度かそれを繰り返すとクラーケンの触手はすべて切り落とされ、いよいよ本体が上陸してきた。予想通り上陸後のクラーケンは行動が鈍い。

 移動速度は俺たちのほうが数段速いので基本的にはライナの弓による引き狩りで対応できそうだ。

 クラーケンのスキを見て俺は後方にまわり斬りつけ、一太刀だけで大きく逃げる。

 俺のほうにクラーケンの意識が向いたら、ライナは立ち止まって矢を集中砲火。

 この繰り返しで、クラーケンのHPを徐々に減らし、ノーダメージのままクラーケンを倒すことができた。


(これですべての試練を終了します)


 無事に終わったようだ。


「おつかれさま」


「お手伝い、ありがとう」


「それで、試練終了するとなにか新しいスキルが身につくとか、特別なアイテムがもらえるとか、そういうのはないのか?」


「なにもないですよ」


「それだと、クリアできたのか途中であきらめたのか、他の誰にもわからないんじゃ?」


「別に他の人にわかってもらう必要もないですしね。

 でも、なんとなくわかるものですよ。

 あの人、試練を終えたんだなって」


「そういうものなんだ」


「そういうものなんです」


 世界樹から元の場所に戻されると、まだ日が暮れてなかった。

 ファンナさんが待ってるわけでもなく、俺たちは2人で帰路についた。


 ライナが自然な感じで俺の腕を取り寄り添ってくる。

 実際には数時間だが、俺たちにとっては数日間の冒険。

 ライナとの絆は確実に深まった気がする。



第6章完了

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