表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第6章 エルフ村
87/129

6-5 勇者の鎧

「シモン、お祖母様がお呼びです。

 皆で来るようにと」


「わかった。すぐにいく」


 ライナの呼びかけに皆すぐに反応する。

 そのまま、ライナの案内で居間へ。

 ユイナさんは俺たちの姿を見るとすくりと立ち上がった。


「ヒマそうならちょいと世界樹までつきあえ」


「なにかわかりませんが、お供します」


 歩きながら、ユイナさんが俺たちへ。


「お主らがなかなか言い出さんが、勇者が使っとった鎧、いるんじゃろ?」


「あ、はい。

 お貸し願えればありがたいと」


「今からそれを取りに行くぞ」


「世界樹にあるんですか?」


「使い道もないから世界樹に祀っておいた。

 それなりにいい効果がついてるはずじゃ」


「世界樹にはそんな力があるんですか?」


「とは言ってもほんのわずかだがな。

 それでも数百年も経つからわずかでも馬鹿にはならんじゃろう」


 世界樹の前へ着くと、ライナさんは歌うように言葉を紡ぐいだ。すると、世界樹から光に包まれて2つの装備があらわれた。


「ほれ、これが勇者の鎧だ。

 そしてもう1つ、こっちはわしが若い頃につけておった装備だ。

 こっちはライナにやろう」


「うわ、私にもあるんだ。

 おばあちゃん、ありがとう」


「まぁお下がりってやつだ。

 それで、勇者の鎧のほうからだが、それは別に特別な能力は何ももっとらん」


「そうなんですか」


「ただし、当時すでに伝説級と呼ばれた北のトラバビエのドワーフの鍛冶師が自ら生涯の最高傑作と言い切った鎧だ。

 行動を阻害することは最低限で、防御力は最高級であろう。

 そして、世界樹の効果がいい具合についておるな。

 MP自然回復がそこそこ付いたようだ」


「それは素晴らしい鎧じゃないですか」


 まさに俺に理想といえる鎧だ。


「まぁ金じゃ買えないものじゃろうな。

 そしてライナ、お前にあげたほうだが、同じ鍛冶師の作だ。

 まぁ出来の方はそこそこいいってところだがな。

 勇者の鎧とお揃いだぞ」


「いいなぁ、それ」


 ヒルダが羨ましそうにつぶやく。


「それで効果なんだが、ライナのほうには魔法の効果がついておる。

 わざわざ、付与師に高い金を払ってつけてもらったんじゃ」


「わ、なになに?」


 ライナが喜んで尋ねる。


「んむ、魅力+10%だ」


「なによ、それ」


「魅力は大事じゃぞ」


「うんうん、とってもいいですの」


 今度はアリサが興味津々と。


「魔法付与は本で読んだだけで、なかなか難しそうですの」


「まぁ魅力効果しかその付与師は付けれなかったんじゃがな。

 そうそう、ライナのほうにも世界樹の効果で同じようにMP自然回復がついたようだ」


 ユイナさんの家に戻り、俺はさっそく鎧をつけさせてもらうことにした。

 ライナも自分の部屋へ着替えに行ったようだ。


 勇者の鎧は俺のためにあつらえたかのように、ピッタリだった。

 確かにこれは動きやすい。

 肩などの関節部の造りが芸術的とも言えるくらい巧妙だ。


 俺は鎧を装備したまま居間に戻り、皆へ披露した。


「最高に使いやすそうです。ありがとうございました」


「まぁその鎧も使う人間が再び現れて喜んでおるじゃろう」


 俺たちが談笑していると、ライナも装備して戻ってきた。


「ねぇ、おばあちゃん。

 これなんでスカートなの?

 しかもこんなに短いと、ちょっと動くだけで見えちゃうよ」


「んむ。勇者のリクエストでそうなったんじゃ」


「えー」


 ライナの恥ずかしそうな素振が可愛らしくていい。


「とっても素敵ですの!」


 アリサがすごく欲しそうにしている。


「あげませんからね!」


 ライナはスカートを抑えながら、アリサを睨みつけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ