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妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第6章 エルフ村
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閑話 聖リズネルの日

もう1つ用意しておいたクリスマスバージョンのお話を

「ミカエル様、明日のミサにはいらしてもらえるんでしょうか?」


 自室で読書中のミカエルにララウェルが尋ねる。


「聖リズネルの日だっけ? ミサは何時からって言ってたかな?」


「ミサは夕方の18時からですが、できましたら30分くらい前に来ていただけると嬉しく思います」


「その時間なら問題ないよ。学校終わってから教会へ寄らせてもらおう」


「お待ちしておりますね」


「聖リズネルってどんな人なの?」


「えっとですね。歴史に残る限りでは最初の勇者に仕えた聖女ってことです。

 秘儀を編み出したのもこの方ってなってます」


「あーあの秘儀ね」


「うん、秘儀いたします?」


「そうしようか」


 最近になってララウェルの秘儀もミカエルに対して僅かながら反応するようになってきた。

 これも毎日せっせと秘儀を行ってきた成果というべきか。


 翌日の夕方、ミカエルがゴアビレンス教会を訪ねると華やかな装飾で教会が飾られていた。


「ミカエル様、今日はわざわざありがとうございました」


 ミカエルの姿を見つけてララウェルが嬉しそうにあいさつした。

 来訪者のほとんどはミカエル同様に教会の僧侶が仕えている男性のようだ。

 まだ仕えるべき男性のいない僧侶たちは、祭壇の前に集まってミサの準備をしている。


「ララウェルは手伝わなくてもいいのか」


「はい、今日はずっとミカエル様のところにいていいことになっております。

 去年までは私もあちらでせっせと準備していたのですが、こちらで仕えるべき男性のお世話をしている先輩方の姿を見てうらやましく思っていたものです」


 しばらくミカエルはララウェルと話していたが、ミサの開始の時間となった。

 教会の灯りは暗くなり、僧侶たちの厳かな聖歌が始まった。


「ミカエル様、口づけを」


 ララウェルはミカエルの耳元でそっと囁いた。

 ミカエルが周りの様子を見ると、他の男女は口づけしあっているようだ。


 ミカエルもララウェルを抱き寄せ、唇を重ねた。


 聖歌が終わり、司祭の朗読が始まった。

 灯りも再び灯されたのを見てミカエルはララウェルの唇から離れた。

 まわりではまだ口づけを続けている男女もあるようだが。

 司祭の朗読はどうやら勇者と聖リズネルの出会いの物語のようだ。


 朗読の後、再び聖歌が流れ、ミサは終了した。

 ララウェルは教会の前までミカエルを見送ったが別れが辛そうだ。


「今夜、ミカエル様のところですごしたいっていうのはダメですか?」


「教会の方はいいのか?」


「今夜は大丈夫です」


「行こうか」


「はい」


 ミカエルはララウェルの腕を取って歩き始めた。

 王都には初雪が舞い始めていた。

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