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5-8 手合わせ

「お兄様、ちょっと手合わせしてみたいの?」


 昼食後、休んでいる時にアリサが突然言いだした。


「なんだ、急に?

 さてはベッドでは勝てないから、腹いせに俺をこてんぱんにやっつけようって魂胆か」


「そんなことはないの。

 最近、お兄様はどんどん強くなってるから、どのくらいなのか知っておきたいの」


「そういうことか、いいだろう。

 あ、木剣とかないけどどうする?」


「勇者の剣はちょっと怖いから、昔から使ってる方の剣で。

 あれならひどいことにはならないと思うの」


「そうだな、ヒルダもいてくれるから問題ないか」


 俺が剣を抜くと、アリサは棍を構えた。

 あれ、あの構えって本気っぽくないか?

 昔は俺が攻撃しかけるまでいつも構えもせずにぼって突っ立ってたのに。


 唐突にアリサが棍で突いてきた。先に仕掛けてくるとは予想外だ。

 俺は体勢を崩して転びながら避けるのがやっとだった。

 素早く立ち上がり次の攻撃に備える。


 アリサはそのまま上段から棍を振りかざしてきた。

 俺は剣で棍を受け流して、その流れのままに剣を横に払った。

 アリサは後ろに飛んで避け、再び突きを繰り出した。


 この攻撃は予想できた。俺は突きをかわすとアリサの胸元に飛び込み、そのまま上段から剣を振り下ろした。

 しかし、アリサに棍で受け止められ、跳ね飛ばされちまった。


「今のは、すっごく危なかったの」


「やっぱ、アリサは強いな。

 まだまだ勝てる気がしない」


「お兄様すっごく強くなってるの。

 半年前のアリサだったらきっと負けてたの」


「ほー、半年前のアリサより強いって、それすごくないか?」


「お兄様と冒険者してたメルドーラの街あたりなら、もう無敵かと思うの」


「ギルドの試験官してたギリウムさんとかよりも強い?」


「余裕だと思うの」


「そこまで強くなってたか。

 自分でも動きがよくなったり、剣を振る速度が上がったなとはおもってたが……

 これも、ヒルダの秘儀のおかげかな?」


「ヒルダさんの秘儀が影響してるのは当然だけど、お兄様の長年の努力が身を結んだと思うの。

 あの秘儀もお兄様の能力と同じく、成長する速度を上げるだけで、努力なしで成長できるものではないはずなの」


「そうか、でももっともっと強くならないと。

 魔王の力がどのくらいかはわからないけど、今くらいでなんとかなる相手じゃないことは確実だからな」


「そうなの。

 これからもっと実戦の勘を養うためにこういう組手も必要かなって思ったの」


「いいかもな。

 じゃ、ちょっと違うパターンにしよう。

 俺とヒルダの2人がかりでアリサとの対戦といくか」


「ちょっと、それはしんどそうなの」


 とか言いながらもしっかり構えて、その後、俺とヒルダはコテンパンにやられちまった。

 やっぱり、まだまだアリサが最強のようだ。

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