表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/129

5-3 ベヒーモス肉

「そういえばベヒーモス倒したら、戦利品としてツノを取ってきてほしいって言ってたっけ」


「このツノは槍の素材として重宝されているの」


「どうやって取るんだ?」


 アリサは死体をいろいろ見聞していたが、ナイフを取り出し首から切り落とした。


「下手に取ろうとすると素材を痛めそうなの。どうせ血抜きするから、お兄様は首ごと持って先にギルドに報告に行くの」


 アリサは首を落としたベヒーモスの体を近くの木を使って後ろ足から釣り上げていた。


「おいおい血抜きって、もしかしてベヒーモス肉って食べれるのか?」


「すごい高級肉なの。

 今夜はごちそうなの。

 でもきっと余るからあとでギルドに引き取ってもらうの」


「わかった。

 ヒルダはどうする?」


「なかなかグロいから、お兄様といくほうがいいと思うの」


「そうさせてもらいます」


 すでに血抜きを見ていて蒼白になりかけているヒルダは申し訳なさそうにそう言うのだった。

 肉を解体中のアリサを残して、一足先にヒルダと冒険者ギルドへ。

 ベヒーモスの頭はツノを持って担いでいくことにしたが、結構持ちにくいし重いんだよな。

 1時間の帰り道が長く感じた。


「ただいま戻りました」


 ベヒーモスの頭を持ち帰った俺たちは歓声とともに迎えられた。

 これほどわかりやすい結果もないだろうな。


「ありがとう、しかもこんなに早く倒してくるなんて思ってもいなかったよ。

 見ればツノも完璧な状態だし、大きさも見事なものだ。

 この分の報酬も期待してくれ」


 ギルドマスターのジークさんは嬉しげにそう言った。


「今、仲間の1人が肉を解体中なんですが、その何割かも引き取ってもらえますか?」


「あー、ベヒーモス肉なら大歓迎だ。

 肉の分は後で精算するとして、討伐の報酬とツノの買い取りで合わせて23000Gだ」


「そんなになるんですか」


「あー、最初に言ったとおりボーナス込みだ。

 ベヒーモスのツノも高く売れるからな」


 金貨2枚と銀貨30枚を受け取った。

 そうこうしてるうちに、アリサが戻ってきた。


「早かったな」


「帰還呪文使いましたの」


「そうか……ってそれがあるなら、俺たちもそれで戻ってくればよかったんじゃないのか?」


「お兄様たちが行ってしまった後に気付きましたの」


「頭を担いで1時間歩くの結構しんどかったんだぜ」


「ごめんなさいですの。

 トレーニングと思ってあきらめるんですの」


 さっそく引き取り分を鑑定してもらい、5200Gを追加で受け取ることができた。


「肉だけで5200Gってどれだけ高級品なんだよ」


「すっごく美味しいって話ですの。

 まだアリサも食べたことがないから楽しみですの」


 冒険者ギルドの建物の裏手でギルドマスターのジークさんは住んでいるとのことで、今夜はそこにお邪魔することになった。

 ジークさんは奥さんと2人暮らしの様子。

 台所を借りて、ベヒーモス肉の分厚いステーキを焼いた。

 ジークさんは遠慮していたが、5人でいっしょにその肉を頬張る。


 すんごい美味かった。

 今までに食べた牛肉のステーキがすべて紛い物であったかのような美味しさだ。


「こりゃ美味いな。

 あんな価格でも金持ちが買い漁るのがよくわかるぜ」


 ジークさんの言うことにまったく異論はなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ