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妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第4章 王都にて
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閑話 秘儀の伝承

 ヒルダとララウェルは司祭サリアから呼び出しを受け、司祭の間へ出向いた。


「2人に今夜、秘儀を伝承することにします。

 現在、ララウェルの部屋は同室の者がいないままとなっておりますね」


「はい、そうです」


「では、旅立ちの日までヒルダはララウェルの部屋に移動しなさい。

 2人で、今夜伝承する秘儀の鍛錬を行うとよいでしょう」


「「わかりました」」


 そして、その夜。


「では、秘儀の伝承を行います。

 私の教えることができるのは形のみですので、あとは2人で鍛錬し、その後仕える勇者様に行うようにするとよいでしょう」


「ミカエル様に行ってもよいのでしょうか?」


 ララウェルがサリアにそう尋ねると、


「ミカエル様も勇者の資質があるように聞きます。

 幾分かの効果が現れるのではないかと思われるのでやってみるとよいでしょう」


「わかりました」


「なお、この秘儀は本来、両者ともに衣服をつけずに行うと効果が高いと伝えられているようです。

 今日のところは形だけですので、着衣のまま伝承を行います」


「「はい」」


「では、まず第1の儀。

 最初はララウェルは勇者の役ということで、ヒルダの前に膝をついた状態で立ちなさい。

 ヒルダはララウェルの頭を両腕で抱えたまま、頭の後ろで手を組むのです。

 そのまま、勇者の名前を唱え、その後ゴアビレンス様への祈りを唱えるのです」


 言われたとおりに2人は形を整える。


「次いで第2の儀。

 今度はヒルダが勇者の役にしましょうか。

 ヒルダは立ったまま、ララウェルはかがんで、ヒルダの腰から背中の方へ手をまわします。

 そのまま、手はムリに組まなくてもいいとなっています。

 そのまま、ララウェルはおでこを勇者のおへそのあたりに当てたまま、先ほどと同じように唱えます」


 2人は役割を変え、言われたとおりに形を整える。

 

「次いで第3の儀。

 今度はララウェルが勇者に交代しましょう。

 ララウェルは横たわって、ヒルダはララウェルの胸のあたりに、背中をむける向きで腰掛けます。

 そのまま、頭を前に倒して……」


 秘儀は第7の儀まで伝承が続けられた。


「これですべてです。

 では先程と役割を交代してすべてをやってみなさい」


 ヒルダとララウェルは2人の記憶していることを相談しながら、最後まで秘儀を実践することができた。


「よろしい。

 それでは2人ともしっかり励みなさい」


「「ありがとうございました」」


「2人は奇しくも兄弟の男性に仕えることになりました。

 この縁を大切にし、お互いを姉妹と思って協力してなにごとも行っていくといいでしょう。

 特にヒルダにはこの後、大きな試練が待っているでしょう。

 ララウェルはヒルダをよく支えてあげるようにしてください」


「「はい」」


 サリアが出ていった後、ララウェルがつぶやく。


「この秘儀、私が身につけれたとしても、とてもシモン様にってわけにはいかないわね」


「あわわ、ダメですよ」


「ミカエル様だけにすることにしますわ。

 ヒルダはしっかり覚えないと」


「もう一度復習いいですか?」


「さっそくやってみましょう」


 ララウェルのほうはそれなりに秘儀の形を覚えられたようだが、ヒルダのほうはといえば、あちこち覚え間違いが目立つ。


「そこ違うから、股間に顔を埋める感じで」


「はい」


「うーん、どうするのが一番いいのか……そうだ、実際に近い形にしましょうか」


「というと?」


「服を脱ぎましょう」


「……は、はい。わかりました」


 2人は服を脱いで、秘儀の形の鍛錬にはいった。


「あん、くすぐったい」


「真面目にやりな……あ、それダメ」


「お姉さま……」


 連日、2人の鍛錬は夜遅くまで続くのであった。

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