4-9 決着
100万PV達成です。
ありがとうございました。
50万PV達成がつい数日前のことだったのに……
2人の僧侶は一礼した後、槍を構えて向かい合った。
見てる方も緊張するなぁ。
そして、間合いを素早く詰めようとした時……
癖っ毛の僧侶のほうがいきなりつまづいてコケた……
「ひゃん」
長髪の僧侶は倒れた僧侶に対して、軽く槍でチョコンと触れて勝負は決したようだった。
勝ったほうもなんか消化不良な感じではある。
負けたほうはその場で立ち上がれず、涙をこらえているようだ。
なんとも後味の悪い勝負となってしまった。
「まぁ、こういうこともあります……」
司祭もやや歯切れが悪い口調だ。
でも、勝負は勝負である。
勝った僧侶は俺達の前で一礼すると、
「ララウェルと申します。
前々からミカエル様のことを見て、仕えるならミカエル様しかいないと決めておりました。
何卒、お許しを」
兄上の前にひざまずいてそう言った。
「俺か……」「兄上か……」「ミカエル兄様ですか……」
なんか、先日からの話の流れで俺のことだとばかり思ってたけど、確かに兄上は何度か教会を訪れているし、ずっと王都住まい。
兄上に仕えたいと思う僧侶がいるのは極めて自然な話か。
「あ、うん、ありがとう。
ちょっと心の準備ができてなかった。
そうだな、こう言われるのは光栄なことだ。
ただ、俺はまだ学生の身。
将来、故郷に帰る時にってことでどうだろうか」
「ミカエル様の身の回りのお世話だけでも、させていただくわけにはいきませんか」
「あー、んーと。
そうだ、こうしよう。
しばらくは教会にいて修行を続けて、その合間の時間に俺のところに来るとかそんな感じでどうだろう」
「ありがとうございます。
そうさせていただきます」
「あー、よろしく」
話は無事にまとまったようだ。
近くで見るとララウェルさん、すっごくキレイな人じゃないか。
もしかしたら将来、俺のお義姉さんになるかもしれないのか。
「それでは時間を取られましたが、あらためてお話を。
ララウェルも同席させてもらいなさい」
そう言って司祭が立ち上がろうとした時に、
「お待ち下さい。
私のお仕えしたいのはミカエル様でなく、もうお一方の」
先程負けたほうの僧侶が駆けてきて、俺の前にひざまずいた。
「ヒルダと申します。
あのように無様な姿を見せた後でこのようなお願いするのは厚顔無恥のようですが、このまま何も言わずに終わってしまったのでは一生後悔してしまいます。
初めて見た時にわかりました。
あなたこそ、聖女ナターシャ様の告げられた勇者様に間違いありません。
どうか未熟な私ではありますが、勇者様にお仕えさせてください」
4章の下書きが終わりましたが、4-17まで+閑話の予定です。
ということでちょうど、今日で4章の折り返しとなります。