4-5 ゴアビレンス教
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日間総合でもずいぶん高いところまで上がってきたようです。
「そもそも、ゴアビレンス教ってどんな教えなんだ?」
「詳しくは知らなかったから、きちんと調べてきたの」
「さすが、アリサ」
「ゴアビレンスは戦いの女神で、嵐の神ザクバルの妻で太陽神レイアスの母なの」
「太陽神レイアスは有名だな」
「仕える僧侶はすべて女性で、強き男性を助けることを目的としているの。
その関係で、勇者に仕える僧侶はいつもこの教会から出ているようなの。
最近は王国騎士に仕えて妻になるパターンが多いから、それなりに入信者は多いようなの」
「仕えるって、どういうふうに仕えるんだ?」
「何から何まで仕えるみたいなの。
戦いの支援から夜のお供まで。
強き男性の子供を産むことは誉れのようなの」
「それってなんか男にとって都合の良さそうな教えだな」
「アリサもそう思わないでもないの。
騎士以外にも、よく冒険者として活躍してる人も多そうなの」
「まぁ平和なご時世だと、冒険者の方に強い男性って多そうではあるな」
「そんな関係で冒険者ギルドと教会との関係は良好ですの」
「そういう教会とロレンス家とは、ずっと繋がってたのかな?」
「もともとは賢者アリサと聖女ナターシャが仲良かったことからはじまった関係だと思うの。
もしかしたら、教会からロレンス家へ嫁いだ人がいたかもしれないけどそのあたりは特に文書を見つけれなかったの」
「今の話を聞いてて思ったんだけど、聖女ナターシャもきっと……」
「勇者シモンの子供を宿していた可能性は高いと思うの。
とっても無念だったと思うの」
「あー、そうか。
そうだったとしたら、そうだろうな、子供ちゃんと産みたかっただろうな」
「とりあえず、そんな感じの教会なの。
だから装備のことはおいといても、一度行ってみるべきだとは思うの」
「んー、それなんだけどさ」
ちょっとこういうことを言っていいのかどうか悩む。
「なんですの?」
「ゴアビレンス教会で新しい仲間を見つけれる公算が高そうなんだよな」
「アリサはそう思いますの」
「で、それってまず女性なんだよな」
「女性の僧侶しかいませんから、そうですの。
……あ、そういうことなのね……」
言いたいことがアリサになんとか伝わったようだ。
「んむ、将来的にはともかく、今このタイミングで新しい仲間ってのが、なんというか……」
「それはそれですの」
「どれなんだよ。わからないよ」
「きっとなんとかなりますの。
いえ、なんとかしますの」
「まぁ、アリサがそういうのなら」
「ちょっと話が変わりますけど、お兄様に報告しておいたほうがいいことがありますの」
あらたまって、アリサが話し始めた。なんか少し恥ずかしそうに。
「ん、なんだ?」
「どうやら、アリサの能力が急成長してる感じですの。
たぶん、1ヶ月分以上」
「え?
一晩でってこと?」
「そうですの。
たぶんお兄様とのことで急成長したと思いますの」
「一度でそんなに急成長するものなのか」
「いえ、一度じゃなくたくさんしましたの」
「……うん、たくさんしたね……」
「お兄様は想像以上にタフでしたの。
ですから、2人や3人仲間が増えても大丈夫ですの」
「いや、それ、きっと大丈夫じゃないと思う」