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妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第4章 王都にて
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4-2 特訓

ブックマーク1000人超えました。

ありがとうございます。

「俺は午後から、兄上に剣術の稽古をつけてもらう予定なんだが、アリサはどうする?」


「剣術ならミカエル兄様におまかせでいいの。

 アリサは王立図書館で調べ物いろいろしたいの」


「んじゃ、別行動ってことでいいか」


「その分、午前中イチャイチャするの。

 と言いたいんだけど、家事もしないといけないの。

 お兄様、お手伝いしてもらっても大丈夫?」


「アリサ姫の仰せのままに」


「じゃ、最初はシーツのお洗濯なの」


 シーツにはアリサの初めての跡がしっかりと。 

 確かにこのシーツは早めに処置しないと……


 2人での作業は家事でもなんでも楽しいものだ。


「新婚さん、みたいなの」


 確かに。


 そのまま2人でブランチを食べて、アリサは王立図書館へ出かけていった。

 俺は、兄上の部屋を訪問、集合住宅の裏庭にて、稽古をつけてもらうことになった。


 兄上は故郷にいた頃から、剣だけで食べていけると評判の腕で、近隣ではまともに試合できるだけの相手もいないくらいだった。

 1人稽古に飽きると、アリサを呼び出して実戦の勘を保っていた。

 当時の実力では、棍を持ち、魔法による強化バフつきのアリサでも敵わなかったくらいだ。

 当然、俺はまったく歯がたたなかったのは言うまでもない。


 俺だって少しは成長してるってところを兄上に見せたかったが……

 模擬刀を使った立ち合いを休憩を挟んで3時間。

 有効打1つ入れることができなかった。


「強くなったな、シモン」


「いやぁ、結局1本も取れませんでしたよ」


「いや、ヒヤッとした攻撃もちょくちょく来てたぞ。

 昔と違って真剣に受けないと危なかったよ」


「もうちょっとやれると思ってたんですけどね」


「まぁ寸評すると、昔から型はキレイだったが、今はそれがいい具合に崩れてきてる。

 実戦の中で自分流の戦い方ってものができてきたってことだな。

 だが、まだ素直すぎる。フェイントとかがバレバレだ。

 猛獣とか相手ならそれでもいいんだろうけど、知性ある敵と戦うのならもう少しずるい戦い方ってのを考えるべきだな」


「はい」


「今日の戦いで俺が真剣で攻撃した場合、致命傷となるケースは20回以上あった。

 だが、重装備をつけていた場合そのうちの8割ほどは防げたとは思う。

 ただ、シモンのよさはそのスピードと全身の動きだ。

 重装備をつければ、そのよさはほとんど消えてしまう。俺みたいなパワー型戦士は重装備でもデメリットは少ないんだがな。

 そういう意味で、これから強敵と戦っていくのなら装備をどうするのか考えていかないとな。

 どれだけの装備をつければ、スピードがどの程度犠牲になるか」


「難しい問題ですね」


「あー、正解はないと思う。

 いや、すっごいお金出せば、軽くてスピードを落とさずに防御も完璧な装備とかあるかもしれないがな」


「そんな装備、国宝級でしょ」


「そうだろうな。

 ダンジョンとかから入手したヤツがいたとしても、命が大事だから手放さないだろうな」


「でしょうね」


「シモンがこれだけ強くなってるとなると、アリサはどうなってるんだろう?」


「すっごく強くなってますよ。もう呆れるくらいに」


「そうか、じゃもうアリサとは試合できないな。

 せっかくの必殺技も使う場所がなくなったか」


「必殺技なんてあるんですか?!」


「あー、一撃必殺は男のロマンだろ」


「確かに。

 じゃ、アリサ相手にやってみたらいいじゃないですか」


「いや、ダメだ。

 俺が負けず嫌いなのは知ってるだろ?」


「はい、よく知ってます」


「アリサ相手にせよ、負けたくないから、きっと本気出しちまう。

 さすがに妹相手に本気で使えるようなワザじゃないからな」


「そんなすごいんですか?

 どんなのです?」


「内緒だ」


「えー」


「シモンに知られたらアリサにもバレちまう」


「しゃべりませんよ」


「いや、信用ならん。

 アリサが涙浮かべて、『お兄様の意地悪』とか言ったら、ぜったいシモン落ちるだろ」


「……確かに。

 でも、絶対使えないとか言いながらも、内緒なんですね」


「あー、いつのまにか対策取られて、戦わないうちに俺の負けってのは一番腹が立つからな」

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