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妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第3章 王都への旅
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3-9 リィとの別れ

もう1つ連載始めました。

「クマの料理屋さん ~のんびりVRMMO~」

http://ncode.syosetu.com/n3672ej/

タイトルのとおりVRMMOものです。

よろしければ、覗いてみてください。

 旅の日々は順調に進んだ。

 特記事項もないまま、リィと出会ってから数日の日々が流れた。

 眼下には大きな街と城壁が見える。


「城壁都市シグネルが見えたの。

 王都に行くにはこの都市を通らないわけには行かないの」


 なんでもはるか昔に西の蛮族に攻め込まれた際に最終防衛線として構築された城壁らしい。

 南北に果てしなく続く城壁は3箇所の都市のどこかを通らなければそれを越えることはできない。

 城壁都市シグネルはその中央に位置する交通の要所である。


 まぁ、リィのように空を飛べると関係ないんだろうけどな。


「じゃ、ボクはここでお別れかな」


「リィは、これからどうするんだ?」


「おにいさまやアリサにも散々言われたし、一度故郷に帰るよ」


「それがいいな。

 きっと親御さんも心配してる」


「そんなこともない気がするけど、まぁいいや」


「故郷ってこのまま西へ」


「うん、遥か西の果てだよ。

 まだまだ数ヶ月かかるかな」


「最後に1つだけ聞いてもいいか?」


「答えられることならね」


「魔王っているのか?」


 しばらく、どう答えようかリィは悩んでいたが、


「ごめん、内緒」


「そうか、ありがとう。

 またどこかで会えるといいな」


「うん、敵としてじゃなく会えたらうれしいね」


「そうだな」


「じゃ、おにいさま、アリサ。

 またねー」


 そう言うと、リィは空高く飛んでいった。


「行っちゃったね」


「あー、行っちゃったな」


「やっぱり、魔王っているみたいね」


「そうだな、いるみたいだな」


「リィと戦いとかしたくないね」


「まったくだ」


「なんとかならないのかなぁ」


「なるかもしれないし、ならないかもしれない。

 でも、なんとかなるように努力しよう」


「うん」


 俺たち2人も城壁都市シグネルに向けて歩き出した。


 目の前に見えても山道を下りながら進むのは時間がかかる。街道近くまで降りた頃にはすっかり日が暮れていた。


「完全に時間配分間違ったの。これから向かってもきっと門が閉まってて入れてもらえないの」


「今日はこのあたりで野宿かなぁ」


「うん、リィとのお別れも明日でよかったの」


「しまらない話だよな、まったく」


 しかたなく、街道近くの森での野宿となった。

 今日は狩りもしてないので、先日の燻製を焼いて食べることにした。

 まぁ燻製といえど、それほど長持ちしないので、そろそろ片付けないといけないんだから、ちょうどいいと言えばそれまでだけどな。


 明日は城壁都市シグネル。

 ここからはこれまでのように山を抜けてという気ままな旅もできないであろう。

 再び人間社会に戻っての旅が待っている。

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