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妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第3章 王都への旅
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3-7 イノシシ

 やはり大事なのは食料。

 非常用の携帯食料は残ってるが、あれは正直あまり美味しくないから本当に非常時だけにしたい。

 昨日の突然の雨のせいで、狩りができなかったから、早めに調達しておきたいところ。


「イノシシ見つけたよ」


 上空からリィが獲物を偵察してくれてる。

 空を飛べるってのは、便利だな。


「イノシシのトドメはアリサにまかせてほしいの」


「わかった。

 リィ、俺の方に追い込めるか?」


「まかせて」


 リィは上空から魔法の礫をとばして、俺の方に誘導してくれているようだ。

 しばらくすると、地響きとともに姿を現した。


「これ、普通のイノシシと違うんじゃね?」


 黄色い肌と真っ赤な目でそいつは俺を見つけると、威嚇してきた。


「お兄様、クレイジーボアと思われますの。

 雷の礫攻撃をしてくるそうですので注意なの」


 おもいっきりモンスターのようです。

 俺は注意深く剣を構えてクレイジーボアを挑発する。


 クレイジーボアの目が光ると同時に牙から礫を飛ばしてきた。

 アリサの注意のおかげで余裕をもって避けることができる。

 知らないでいると危なかったかもな。


 クレイジーボアは俺に向かって突進を始めた。

 しかし、俺に到達する寸前に横から飛び出したアリサに短刀で首筋を割かれた。


「イノシシの血抜きは生かしたままするのがコツなの。

 死んじゃうとすぐに肉に血が回って臭くて美味しくなくなるの」


 そう言いながら、テキパキとイノシシの血抜きを始める。


「クレイジーボアもイノシシと同じ扱いでいいのか?」


「ちょっと凶暴なだけなの。

 普通のイノシシより美味しいからお肉も高いの」


 リィも降りてきてアリサの解体作業を見つめる。


「アリサ、ボクにもその作業教えてよ」


「わかったの」


 2人で仲良くイノシシの解体を始める。


「ここのところが肩肉で、こっちがバラ肉ね」


「ふむふむ」


「このあたりがヒレ肉、あまりたくさんとれないから一番高いの」


 やはりどうもこういうのは苦手だ。女性陣2人にまかせておくことにしよう。


 しばらくして解体作業は終わった様子。


「3人じゃ絶対食べきれずに腐らせちゃうの。

 余りそうな分は燻製にするしかなさそうなの」


「魔法で凍らせるとかじゃダメなのか?」


「凍らせると重くて持ち運びが大変なの。

 それに暑くて溶けてきた時に他の荷物が濡れちゃうんですの」


「それもそうか。家で置いておくときとかのようにはいかないか」


 ということで、今日はこのままここで燻製の作成にかかることになった。

 そちらの方は、アリサとリィの2人でやるってことなので、俺の方は昼食の準備に。

 といっても、手の込んだ料理はできないので、シンプルにロース肉をステーキにすることにした。


 肉の焼ける香りが食欲をそそる。

 イノシシもしっかり焼かないと寄生虫がいるからキケンらしい。

 燻製の方も下ごしらえが終わったようで、2人もこちらへやってきた。


「お兄様ありがとうなの」


 3人揃って腹いっぱいになるまでステーキをいただきました。


「燻製のほうで時間とられるし、せっかくだから夕食も凝ったものにするの」


 そういうとアリサは、イノシシの骨を叩き割ると鍋で煮込み始めた。

 このまま数時間煮込むそうだ。


 アリサの指示の元、俺とリィは燻製を炙ったり、鍋から灰汁を取ったりの作業。

 その間アリサは山菜を集めたり、イノシシ肉の下ごしらえなどを。


 ということで夕食はアリサ特製の牡丹鍋。


「ボク、こんな美味しいもの初めて食べたよ」


 リィも感激して食べまくっている。

 もちろん俺も負けじと食べまくる。


「「うー、苦しい」」


 あんなにあった鍋も食べ尽くされ、俺とリィは食べすぎてそのままダウンとなった。

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