表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第3章 王都への旅
36/129

3-5 魔族

ブックマーク100人達成です。

ありがとうございました。

 目を覚ますと、俺とアリサの間に裸の女の子が寝てた……


 びっくりして俺は飛び起きると、その女の子も目を覚ましたようだ。


 見たところ10歳前後か。

 黒い髪、真っ赤な目、背中には黒い羽根、そして尻尾が……


 どう見ても魔族、そして昨夜のことを思い出すと、どう考えてもこの子は。


「にゃあ……」


「いや、変身解けてるし」


「えへへ」


 そんな騒ぎで、アリサも目を覚ます。

 そしてあたりを見渡して、


「お兄様、不潔よ。

 そんな年端もいかない女の子に!」


「アリサ、それ絶対わかってて言ってるだろ」


「ちょっと場をなごませようと思ったの」


「名前とか教えてもらっていいか?」

 あらためて魔族の子に聞いてみる。


「ボクはリィ」


「そうかリィっていうんだ、俺達は」


「わかってるから大丈夫。おにいさまとアリサだね」


「いや、おにいさまってのは名前じゃないから。

 俺はシモンだ」


「シモン?……わかった、おにいさま」


「わかってないし、まぁいいや。

 想像つくような気がするけど、事情とか話してもらっていいか?」


「ちょっとケガしちゃったからここで休んでたら、人間の気配がしたんだ。

 様子見たら戦ったら絶対殺されると思って少しでも油断してくれそうな姿になってみた」


「そんな殺気みたいなの出してたか?」


「見るとだいたいの魔力がわかるから。

 アリサ見ると魔力が吹き出てて、あんなの魔族にもそうそういない」


「それで最初アリサを怖がってたのか」


「うん。でもアリサにケガ治してもらったし、あのままならなんとか見逃してもらえそうかなって。

 でも寝てるうちに変身解けちゃった。

 で、どうする?

 魔族だし、やっぱ見逃せない?」


「こうやって和んじゃってから、さぁ殺し合おうとかできるわけないだろ。

 リィのほうから敵対してこなければ、別に何にもしねぇよ」


「でも、人間と魔族って敵同士だろ?」


「まぁそういうふうに教えられてるな。

 とはいえ、もう魔族が人間殺しまくったのって600年前のことだろ?

 それからも、ちょくちょく魔族とのいざこざってあったみたいだけど、ほとんど人間は魔族とか話に聞くだけでほとんど見たことないんじゃないのか?

 俺も会うのは初めてだし」


「魔族少ないからな」


「俺も冒険者とかやってから、普通の人と比べたらモンスターだって殺すし偉そうなことはいえないけど、魔族見つけたからってすぐ殺そうとかいう発想にはならないぞ。

 魔族のほうから襲ってきたり、他の人を傷つけたりしてたときは別だけどな。

 お前もなんかやらかしてるなら話は別だぞ」


「してないしてない。

 できるだけ人間に会わないようにこんな山の中を旅してるくらいだから」


「1人でか?」


「あー、冒険旅行ってやつだ」


「リィは何歳だ?

 魔族ってそんな小さい頃から1人でよく旅に出してもらえるな」


「ボクは5歳だよ。

 魔族は成長早いから、もう1年もすれば大人になるよ。

 さすがにまだ早いって言われたから勝手に出てきてるんだけどね」


「5歳かよ。

 さすがに、親御さん心配してるぞ。

 帰ってやれよ」


「もう少し冒険したら帰るよ。

 アリサみたいにおっかない人間がいるとは思わなかったし」


「送っていってやりたいけど、リィ連れて人間の街とか行くのは危ないから、ムリそうだなぁ」


「ケガも治してもらったし、1人で大丈夫だって。

 でも、人間の街に近づくまで、おにいさまたちと旅するのも面白そうかな」


「よし、じゃ外も晴れたことだし、リィのケガももう問題なさそうなら、狩りでもしつつ、獲物つかまえて飯にしようか。

 アリサの料理は美味しいぞ」


「それがいいですの。

 腕をふるいますの」


 しばらくの間だけとはいえ、旅の仲間が1名増えたようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ