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妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第3章 王都への旅
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3-1 旅立ち

 現在地メルドーラの街はイズバーン王国の中ではやや西寄りに位置する。


 北には広大な森林地帯が広がる。

 小さな村が点在しているが、1ヶ月ほどで国境に接し、それより北は軍事強国トラバビエ帝国である。

 トラバビエ帝国との関係は良好とはいえないが、一触即発というほどの緊張関係はないようだ。


 西は故郷のガダウェルがある。

 ガダウェルを抜けると、そこには砂漠地帯が広がる。

 砂漠地帯もイズバーン王国の領地とはなっているが、蛮族が住み、実質上は未統治状態である。

 砂漠の西がどうなっているかは、よく知られていない。


 南の山岳地帯を抜けると、商業都市フィラエルや冒険家の集まるビンスクなど多くの都市がある。

 そして、そのまま国境まで進むと、多くの小国が乱立している。


 そして、東には王都がある。

 王都は王国のほぼ中央に位置し、政治・文化の中心地となっているが、商業的にはフィラエルと同等かやや低めの感じ。

 王都を越えても小都市が多く存在し、その先には王国北部まで繋がる森林地帯となっている。

 森林地帯を抜けた先にある隣国ビレニアとは良好な関係となっている。

 ビレニアは歴史ある国で文化的にはイズバーン王国より進んでいるが、政治・商業・軍事の面ではあまり発展してない。


 「という感じですの」

 アリサの地理の授業ってわけではないが、おおまかな地理をあらためて示してもらう。


 さて、旅に出るというものの、どちらの方角へ向かい、どこを目的地とするかだな。


 「ライナさんのエルフ村ってのはどのあたりにあるんだろう?」


 「100%確実ってわけではないんですが、東の隣国ビレニアのイズバーン王国寄りの森林地帯の北寄りにあるんじゃないかなって思ってるの。

 どこの地図にも載ってないから確かではないですの」


 「隣国かぁ。そこまでどのくらいかかるんだろ?」


 「寄り道せずに行ったとすれば1月半くらいかなと思うんですの」


 「そのくらいか。

 東に向かって王都に寄って、その後エルフ村を目指すってのはどうだ?

 途中で何かあれば目的地変更はその時次第って感じで」


 「お兄様の考えに従いますの。

 勇者の直感ってのも大事かもしれませんの」


 「王都に向かうのなら兄上に手紙を出しておこうか」


 「んー、寄り道したりする可能性もあっていつ頃王都行くことになるかわからないから、もう少し近くの街まで行ってからでいいかなって思うの」


 「それもそうか。

 場合によっては、王都には行かないって選択肢も出るかもしれないしなぁ」


 「そういうことですの。

 行き当たりばったりの旅ですの」


 旅のすごく大雑把なコースも決まったことなので、旅の支度にはいった。

 といってもたいした準備もなかったけどな。

 ほぼ準備も終えたので、2人して冒険者ギルドに旅立ちのあいさつに。

 まずは、サマンサさんに。先日、立ち寄った時に近いうちに旅立つことは伝えてある。


「明日、王都に向けて旅立つことになりました。

 これまでいろいろお世話になりました」


「そうか、もう行っちゃうんだ。

 シモンさんはもう半年以上の顔馴染みだし、さびしくなるわね。

 ギルドマスターも部屋にいるはずだから、あいさつしていって。

 軽く話してあるから」


「はい、そうさせてもらいます」


 アリサも後ろでちょこんと頭を下げる。


 ギルドマスターの部屋に入ると、ギリウムさんもいっしょだった。

 ギリウムさんのほうから声をかけてきた。


「サマンサから聞いたぞ、旅立つのか。

 お嬢ちゃんのような超有望株がいなくなっちまうのは残念だが、まぁこんな小さな街で居座るような器じゃないしな。

 シモンのほうも、何となく期待していいような安心感がある。

 お前ら2人ならどこに行っても大丈夫だろう。

 頑張ってやりな」


「はい、ありがとうございます。

 とりあえず王都に向かってみようと思います」


「そうか王都か。

 ロッキーたちから王都のギルドにも話は通ってるはずだから、王都に行ったら冒険者ギルドにも顔を出してやってくれ」

 ギルドマスターのほうからもそう声がかかる。


「はい、そうさせていただきます」


「何にせよ、時代が動き始めているようだ。

 お前たちのような若者の時代だ。

 いろいろ頼むぞ」


「はい。いろいろお世話になりました」


 ギルドマスターとギリウムさんにあいさつを済ませ、冒険者ギルドを後にした。

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