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妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第2章 不死の王
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2-11 ギルドマスター

 夕方、冒険者ギルドへ戻った。

 まずは、ギルド依頼の報告ってことで受付のサマンサのところへ。


「これが依頼遂行完了の書類です。

 確認してください」


「確かに受領しました。

 これが報酬の100G。少なくてごめんなさいね。

 そしてアリサさんは、これで冒険者ランクがEランクに昇格です。おめでとう。

 アリサさんは冒険者カードも出来上がってます。大切にしてくださいね」


 さっそく冒険者ランクがEランクに更新された冒険者カードを受け取って、アリサは少しうれしそうだ。


「すみませんが、ギルドマスターはいますか?

 できるだけ緊急で面会したいのですが」


 サマンサに尋ねると、


「今なら部屋にいるはずよ。

 ちょっとこのまま待っていてね。

 予定を聞いてきます」


 サマンサは小走りに2Fへ駆けていった。

 すぐに戻ってくると、階段から


「今からでも大丈夫みたい。こっちへ来て」


 アリサと2人、2Fのギルドマスターの部屋へ案内された。

 部屋へはいってみると、そこには先日のアリサの武闘家認定試験の時にいた王都の冒険者のロッキーとミィアも一緒だった。


「明日、王都に戻ることにしたので挨拶によったんだ。

 アリサちゃんにもまた会えてよかったよ」


 アリサは俺の影に隠れている。

 どうやらこの手のタイプは苦手なようだ。


「マーケイン牧場の冒険者依頼で、重要と思われる事件に遭遇しましたので、報告にきました」


「俺達はどうしようか。退散したほうがいいかな?」


 ロッキーがギルドマスターと俺を見ながら尋ねる。


「ギルドマスターのほうで問題ないと思われるのなら一緒に聞いていただいてもいいかと」


 俺がそう答えると、ギルドマスターのほうから、


「こいつらなら問題ない。話を続けてくれ」


 ということで、俺からアリサの事前に調べた伝説・森の中で見たアンデッドたち・エルフの精霊使いのこと・そして封印のことについて、ギルドマスターに伝えた。

 魔王については、まだあくまで推測だってことはしっかり伝えておいた。

 拾った剣のことは伏せておいたが、もし何か聞かれたら答えるしかないかな。


 ギルドマスターはじめ、ロッキーやミィアからいろいろな質問が飛んできたが、そのあたりは主にアリサのほうから回答してくれた。


「由々しき事態だな。

 森の調査はお手柄だ、ありがとう。

 あの依頼が来たときにギルドのほうで気づかなかったのはこちらの手落ちだ。

 依頼だけ素直に遂行されていたら、誰も気づかないままですますところだった」


「完璧な依頼遂行ですねぇ。

 ギルドマスター、これだけのことしてくれた2人をCランクとEランクにしておいていいのかなぁ」

 ミィアのほうからギルドマスターへ催促のような一言が。


「確かにそうだな。

 だが予算不足で報酬はちょっと勘弁してほしいが、冒険者ランクを俺の権限で上げれるBランクへ昇格ってことで手を打っておいてくれ。

 これだって特別なケースにしか認められないことなんだからな」


 ということで、俺はCランクからBランクへ。アリサはEランクからいきなりBランクへの昇格となった。

 ギルド加入6日目でいきなりBランクってありなのだろうか。

 アリサだから、しかたないか。


 ギルドマスターは職員を呼び出し、俺達2人の冒険者カードを持って行かせた。

 さっそく更新するようだ。

 アリサの冒険者カードはさっき支給されたばかりだと言うのに。


「王都への報告だが、ちょうどいいって言ってはなんだが、ロッキーのほうにまかせていいか」


「おー、まかされたぞ。

 王都のギルドは元より、国軍のほうも少しは知り合いもいるから伝えておこう。

 それにしても、不死の王に魔王か。

 いきなりぶっそうになってきやがったな」


 後のことはまかせて俺とアリサはギルドマスターの部屋を退出した。

 受付のサマンサのもとに戻ると、冒険者カードの更新はもう終わっていたようで受け取ることができた。


「冒険者ランクがBランクになりますと、もう冒険者依頼の未実行による資格失効はありません。

 一流の冒険者と認められたということで、ギルドからの縛りもなく自由に冒険を行ってくださいという意味です」


 CランクからBランクへの昇格条件って厳しいから、俺も当分はムリだと思っていたものだ。


 今日はそのまま新しい冒険者依頼を探すこともせずに、いつもの宿屋へ戻ることにした。

 といっても、3日ぶりだから、また新規で部屋を借りないとな。


 そしてその夜、ベッドに腰掛けた俺の左側という定位置でアリサは話し始めた。

 俺についての大事な話とやらを。


「にわとりと卵のどちらが先に産まれたかという話じゃないけど、魔王が誕生すると同じ時期にこの世に現れる存在があると言われてるの。

 勇者という存在が」

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